厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会、第二部会はそれぞれ5月26日と30日に会合を開き、下掲の11成分17品目について、承認して差し支えないとの結論をとりまとめた。
このうち、「フェントステープ」(久光製薬)は、非オピオイド鎮痛剤および弱オピオイド鎮痛剤で慢性疼痛の鎮痛効果が得られない時に用いる貼付剤。胸、腹部、上腕部、大腿部などに貼り、1日ごとに貼り替える。中等度から高度の癌性疼痛に限定されていた効能・効果が慢性疼痛全般に拡大される。
「メナクトラ筋注」(サノフィ)は、国内初となる侵襲性髄膜炎菌感染症の予防ワクチン。同感染症は、罹患すると頭痛や発熱、意識障害などの髄膜炎症状や、虚脱などの敗血症を呈し、致死率は髄膜炎で7〜19%、敗血症で18~53%と報告されている。近年、セネガルからエチオピアにかけてのアフリカ中央部諸国(髄膜炎ベルト地帯)でアウトブレイクが繰り返し発生しており、ワクチンはこれらの地域への渡航予定者に接種する。
部会ではこのほか、13価肺炎球菌ワクチンの「プレベナー13水性懸濁注」(ファイザー)の適応について、小児だけでなく成人(高齢者)に拡大することも了承された。今回の変更は、成人用肺炎球菌ワクチンが10月から定期接種化されることに備えるもの。