厚労省は2日、新医薬品22成分、33品目を薬価収載した。収載された新薬は表の通り。
今回の薬価収載では、高い加算がついた品目が並んだ。原価計算方式の営業利益率は、既存治療と比較した場合の革新性や有効性、安全性の程度に応じて、平均的な営業利益率に対しマイナス50%からプラス100%の範囲で調整されるが、がん免疫療法として用いる「オプジーボ点滴静注」は営業利益率が60%加算された。適応は、根治切除不能な悪性黒色種で、世界に先駆け日本で初めて薬事承認されたことが高加算につながった。また、リファンピシン以来となる抗結核薬であり、多剤耐性肺結核に対する適応を持つ「デルティバ錠」には営業利益率が40%加算された。
セログループIのC型慢性肝炎またはC型慢性代謝性肝硬変のうち、インターフェロン(IFN)を含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容、またはIFNを含む治療法で無効の患者を対象とする「ダクルインザ錠」「スンベプラカプセル」も収載された。両剤は抗ウイルス薬で併用する。
現在のC型肝炎治療はIFNとリバビリン、プロテアーゼ阻害薬の併用が一般的だが、副作用で治療を断念するケースに加え、高齢や合併症リスクなどでIFN治療を受けられない患者もいる。今回、日本初のIFNフリーのC型肝炎治療薬として両剤の併用が保険適用されたことにより治療の選択肢が増える。厚労省の肝炎治療戦略会議は両剤を用いた治療を医療費助成の対象とすることで合意している。
このほか、減感作療法を目的とした舌下液では世界初の承認となったスギ花粉症減感作療法薬「シダトレンスギ花粉舌下液」やSGLT2阻害薬「カナグル錠」が新たに収載された。