厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会と第二部会はこのほど、別掲の医薬品13件32品目について、承認して差し支えないとの結論をとりまとめた。
このうち、武田薬品工業の「タケキャブ」(一般名=ボノプラザンフマル酸塩)は、新たな胃酸分泌の阻害様式を持つプロトンポンプ阻害薬(PPI)。従来のPPIが胃粘膜壁細胞において胃酸分泌を行うプロトンポンプの働きを不可逆的に阻害するのに対し、同剤はカリウムイオンと競合的かつ不可逆的に阻害することで、強力な胃酸分泌抑制作用を持続的に発揮する。
ただし、臨床上の位置づけはランソプラゾールなど既存のPPIと同様とされ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、ヘリコバクター・ピロリ除菌の補助、低用量アスピリン投与時の胃潰瘍および十二指腸潰瘍─などにおける治療選択肢の1つとされている。
ノバルティスファーマの「コセンティクス」(セクキヌマブ)は、新作用機序の乾癬治療薬。乾癬発症において中心的役割を果たすと考えられている炎症性サイトカイン「インターロイキン-17A」に選択的に結合することで生物活性を中和し、炎症反応を抑制する。
類薬のインフリキシマブ、アダリムマブ、ウステキヌマブと同様に、既存治療で効果不十分な中等症または重症乾癬への治療選択肢となる。
鳥居薬品の「治療用ダニアレルゲンエキス」は、ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎、気管支喘息の減感作療法に用いる皮下注剤。室内塵ダニアレルギーの主要なアレルゲンとされるコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニの2種のエキスを含有する。
減感作療法の実施に当たっては、ダニアレルゲンに陽性の患者に診断用対照液を用いて皮内テストを行い、反応閾値を求める。初回以降、徐々に増量しながら投与を続け、次第に高濃度の液に移る。
初回および初回後に投与する濃度、量、回数、間隔ならびに維持量(最高用量)については、反応閾値と患者の症状に応じて医師が適宜定めるとされている。