厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は10月31日、子宮内膜症の治療に用いられている「ディナゲスト」(一般名=ジエノゲスト)への子宮腺筋症の効能・効果の追加を了承した。
現在、国内外で子宮腺筋症に関する効能・効果を有する薬剤はない。一方、医療現場では同剤が子宮腺筋症に使用されている実態がある。申請者の持田製薬は同剤の臨床上の位置づけについて、「妊孕性の温存を希望する場合等、NSAIDsで管理できない子宮腺筋症に伴う疼痛に対する薬物治療として新たな選択肢を提供するもの」としている。
同日の部会ではこのほか、アルツハイマー型認知症(AD)の診断に用いる放射性医薬品「アミヴィッド」(一般名=フロルベタピル[18F])の承認も了承された。静脈内投与して使用し、同薬がAβと特異的に結合することで脳内Aβプラークが可視化され、PET画像検査によるADの診断精度向上が期待される。ただし現時点では、脳内Aβの蓄積が認められても確実に将来ADを発症すると言えないため、同薬は鑑別診断に重要な情報を得るための選択肢の1つとの位置づけとなる。