厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会と第二部会はこのほど、別掲の5成分14品目について、承認して差し支えないとの結論をまとめた。
アステラス製薬の下痢性過敏性腸症候群治療薬「イリボー」(一般名=ラモセトロン塩酸塩)は現在、男性への適応のみ承認されているが、このたび女性への適応拡大が了承された。
女性に対しては、男性用量の半量に当たる2.5µgを1日1回投与。効果不十分の場合の増量に関しても、男性の半量の5µgが最高投与量とされている。
同剤は、選択的セロトニン5-HT3受容体拮抗薬の一種。腸の運動に関連するセロトニンの受容体の働きを阻害することで、排便亢進や下痢を抑制する。
田辺三菱製薬の抗アレルギー薬「タリオン」(一般名=ベポタスチンベシル酸塩)には、7歳以上の小児への適応追加が了承された。小児用量は成人用量と同じで、1日10mgを1日2回投与する。
臨床上の位置づけは、アレグラ、アレジオン、アレロックなど既承認の類薬と同様で、小児におけるアレルギー性鼻炎および皮膚疾患に対する新たな治療選択肢の1つとされている。
塩野義製薬の「サインバルタ」(一般名=デュロキセチン塩酸塩)は、①うつ病・うつ状態、②糖尿病性神経障害に伴う疼痛─への効能・効果で承認されているが、このたび「線維筋痛症に伴う疼痛」への適応追加が了承された。
線維筋痛症の成人には通常、1日1回朝食後に60mgを経口投与。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。