厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は5月28日、別掲の7成分9品目の承認を了承した。早ければ今月内にも承認される見通し。
ギリアド・サイエンシズの「ハーボニー」は、インターフェロン治療を必要としないジェノタイプ1型のC型慢性肝炎の経口治療薬。ジェノタイプ2型への効能でこのほど薬価収載された経口薬「ソバルディ」と、NS5A阻害薬レジパスビルの配合錠。
厚労省の推定では、国内のC型慢性肝炎患者は26万人程度で、うち70~80%がジェノタイプ1型とされている。国内の患者を対象にした第3相試験では、12週間の投与期間終了後のウイルス学的著効率がほぼ100%との結果が得られている。
サノフィの「プラケニル」は、皮膚エリテマトーデス(CLE)と全身性エリテマトーデス(SLE)の経口治療薬。欧米をはじめとする諸外国の教科書・診療ガイドライン等ではCLEとSLEに対する標準的治療薬として記載されている。
ヤンセンファーマの「ベルケイド」は、マントル細胞リンパ腫の効能追加が了承された。これに合わせて、ベルケイドとの併用療法に使用できるよう、塩野義製薬の「エンドキサン」と「プレドニン」、武田薬品工業の「プレドニゾロン錠『タケダ』」の3剤にも効能が追加される。
28日の会合では、大塚製薬工場の皮膚消毒薬「オラネジン」と大鵬薬品工業の注射用抗生物質「ゾシン」の2成分の承認の可否も審議予定だったが、先送りとなった。出席した委員の中に、利益相反の関係で2成分の審議に参加できない委員がおり、議決に必要な定足数を満たせなかったため。
厚労省担当官は「承認に影響が出ないよう臨時部会の開催などで対応したい」としている。