厚労省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は3日に会合を開き、新薬など5成分9品目(下掲)について、承認して差し支えないとの結論をとりまとめた。
このうち、「スピオルトレスピマット」は長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の「スピリーバ」(成分名:チオトロピウム臭化物水和物)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)で新有効成分オロダテロールを含有する慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療用吸入剤。
特徴は、気道を収縮させる作用を持つアセチルコリンに拮抗することで気管支拡張作用を発揮するLAMAと、気道のβ2受容体に作用し、気道を弛緩させることで気道を拡張させるLABAの配合剤という点。用法・用量は通常、成人には1回2吸入を1日1回吸入投与する。
日本でLAMA/LABA配合剤は、「ウルティブロ吸入用カプセル」「アノーロエリプタ7吸入用等」があり、同剤が承認されれば国内で3番目となる。
「カプレルサ錠」は根治切除不能な甲状腺髄様癌(MTC)治療薬。作用機序は、VEGFR2、EGFR、RETなどの複数のキナーゼ(リン酸化酵素)を阻害することで、腫瘍血管新生や腫瘍細胞の増殖を阻害し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。
同剤が承認されれば、根治切除不能な局所進行または転移を伴う甲状腺髄様癌患者に対する治療選択肢の1つとなる。
同部会ではこのほか報告品目として、「クラビット錠」、同錠のオーソライズドジェネリックである「レボフロキサシン錠」について「肺結核及びその他の結核症」の効能・効果の追加を了承。国内外の診療ガイドラインで、クラビットが二次抗結核薬の1つとされていることから、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」により承認が要請されていた。
承認されれば、薬剤耐性結核症や副作用により一次抗結核薬が使用できない場合の二次抗結核薬の1つとなる。通常、成人には1回500mgを1日1回投与するが、原則として他の抗結核薬と併用する。