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SGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬の配合錠が承認へ【新薬情報】

No.4860 (2017年06月17日発行) P.17

登録日: 2017-06-13

最終更新日: 2017-06-15

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厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は9日、2型糖尿病治療薬「カナリア配合錠」(テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物/カナグリフロジン水和物、田辺三菱製薬)など、新薬5成分の承認を了承した。

カナリア配合錠は、承認されれば国内初となる、SGLT2阻害薬「カナグル錠」とDPP-4阻害薬「テネリア錠」を組み合わせた配合剤。両剤の併用療法は、医療現場では特段問題なく行われている実態が確認されており、併用療法の対象となる患者の新たな選択肢の1つと位置づけられる。

部会では、乳児型脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬「スピンラザ髄注」(ヌシネルセンナトリウム、バイオジェン・ジャパン)の承認も了承された。同剤は、標的遺伝子のメッセンジャーRNA前駆体に結合し、遺伝子発現を調節することで治療効果を示すアンチセンス核酸医薬。SMAは遺伝子変異により脊髄前角細胞における運動ニューロンに変性が生じ、四肢・体幹の随意筋の萎縮などを引き起こす神経筋疾患で、推定患者数は10万人に0.5~1人。重度の筋萎縮を生じる乳児型(Ⅰ型)は患者全体の約6割を占める。

■「ジプレキサ」、抗癌剤治療の制吐でも保険適用

部会ではこのほか、統合失調症などに用いる「ジプレキサ錠」「同ザイディス錠」(オランザピン、日本イーライリリー)について、「抗悪性腫瘍薬(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」への適応追加の公知申請(用語解説)が了承され、同日付で保険適用となった。

【公知申請】:医薬品の適応追加等の承認申請のうち、有効性・安全性が医学・薬学上、広く知られているとして、臨床試験の全部または一部を新たに実施しなくても差し支えないもの。薬事・食品衛生審議会の事前評価が終了した段階で、薬事承認を待たずに保険適用となる。

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