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薬価改定の具体的内容決まる─製薬協会長「苛酷な改革」【薬価制度改革】

No.4684 (2014年02月01日発行) P.10

登録日: 2014-02-01

最終更新日: 2017-09-21

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【概要】中医協は1月22日、4月に実施する薬価基準改定の具体的内容を取りまとめた。大幅に市場が拡大した医薬品の薬価を引き下げる「市場拡大再算定」の対象品目も決めた。

薬価基準改定の具体的内容は、昨年12月に中医協で合意した薬価制度改革の骨子に沿ったもの。①長期収載品(後発品への置換えが進まない既収載品)の薬価の特例的引下げ(2.0%、1.75%、1.5%の3段階)、②新薬創出・適応外薬解消等促進加算(新薬創出加算)の制度化見送り(試行継続)と適用範囲の限定、③世界に先駆けて日本で承認を取得した新薬の評価の導入、④後発品の薬価算定ルールの見直し─などが柱となっている。

③の新たな新薬評価の名称は「先駆導入加算」(加算率10%)となった。このほか、新医療用配合剤の薬価算定ルールの見直し(内用配合剤のうち、一般用医薬品の有効成分等を配合する場合は単剤のみの薬価とする)や注射剤の最低薬価の見直しなども行われる。

市場拡大再算定は22品目

22日の中医協では、市場拡大再算定、用法用量変化再算定で薬価引下げの対象となる品目も承認された。市場拡大再算定の対象となるのは22品目(表)。このうち対象品は「ジャヌビア錠(4品目)」「グラクティブ錠(4品目)」「レミケード点滴静注用(1品目)」で、その他の品目は対象品の薬理作用類似品として引下げが行われる。



用法用量変化再算定の対象となるのは「ゾレア皮下注用(2品目)」のみ。

これらの薬価制度改革に対し、製薬業界からは“敗北”を強調する声が上がっている。

日本製薬工業協会の手代木功会長(塩野義製薬社長)は1月15日の定例記者会見で、「苛酷な改革」としながら、特に、長期収載品の特例的引下げを受け入れる代わりに求めていた「新薬創出加算の制度化(本格導入)」が見送られたことについて「忸怩たる思いがある」とコメントした。特例的引下げの中身についても、「ジェネリックが1品目しか出ていないような長期収載品の場合、(後発品メーカーだけでは)全量供給できない。それでもペナルティ的に引き下げるのか」と述べ、医薬品の安定供給などへの影響を十分検証すべきとの考えを示した。

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