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1日1回で呼吸機能改善効果が24時間持続「レルベア」発売[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.4684 (2014年02月01日発行) P.15

登録日: 2014-02-01

最終更新日: 2017-09-25

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グラクソ・スミスクライン:1日1回で呼吸機能改善効果が24時間持続「レルベア」発売

グラクソ・スミスクライン(GSK)は1月27日、昨年12月9日に発売した新規気管支喘息治療剤「レルベア100エリプタ14吸入用、同200エリプタ14吸入用」(一般名=ビランテロールトリフェニル酢酸塩/フルチカゾンフランカルボン酸エステル)の記者発表会を開いた。

「レルベア」は吸入ステロイド剤(ICS)と長時間作動型吸入β2刺激薬(LABA)の配合剤で、「エリプタ」という吸入器(写真)を使用する。GSKは既にICS/LABA配合剤「アドエア」を2007年から販売しているが、アドエアが1日2回吸入タイプであるのに対し、レルベアは1日1回1吸入で呼吸機能改善効果を24時間維持できるところが最大の特徴となっている。

記者発表会で国際医療福祉大臨床医学研究センターの足立満氏は、レルベア100と200の使い分けについて「100は軽症持続型から中等症、200は中等症と重症という使い方をしていくことになる」と説明。広島アレルギー呼吸器クリニックの保澤総一郎氏はアドエアとの直接比較試験について解説し、レルベアは臨床効果はアドエアと同様であるものの、QOL改善効果は比較的高い可能性が示唆されたと述べた。

「レルベア」の特徴
①喘息症状に対する確かな有効性(1吸入で効果が24時間持続する唯一のICS/LABA) ②使いやすいように開発された吸入器 ③1日1回1吸入というシンプルな服用 ④既存のICS/LABAと同等の安全性

バイエル薬品/参天製薬:「アイリーア」適応追加、CRVOに伴う黄斑浮腫の改善に効果

バイエル薬品と参天製薬は、「アイリーア硝子体内注射液40mg/mL」(一般名=アフリベルセプト)への「網膜中心静脈閉塞症(CRVO)に伴う黄斑浮腫」の適応追加が昨年11月に承認されたのを受け、1月27日にメディア向けセミナーを開催した。

CRVOは網膜の中心静脈が閉塞する疾患。静脈の閉塞は眼内の血管内皮増殖因子(VEGF)濃度の上昇を引き起こすため、血液や液体成分が漏出し黄斑浮腫が生じる。CRVOは高血圧などと深い関連があり、40歳以上の日本人の有病率は0.2%との報告がある(福岡県久山町研究に基づく国内の推定患者数は約14万人)。

「アイリーア」はVEGFの働きを抑える抗VEGF薬で、臨床試験ではアイリーアの6回連続毎月投与により60.2%の患者で視力改善(ETDRSチャートで最高矯正視力がベースラインから15文字以上改善)がみられたと報告されている。

セミナーで講演したデイビッド・ブラウン氏(米国ヒューストン レチナ コンサルタンツ)は、米国での経験を踏まえ、CRVOによる視力低下を防ぐには網膜専門医による早期の治療が重要であり、抗VEGF薬はCRVO患者の転帰改善に重要な役割を果たすと強調した。

アイリーアの適応はこれまで「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」のみだった。

新たに承認された「アイリーア」の効能・効果と用法・用量
①効能・効果:網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、②用法・用量:アフリベルセプト(遺伝子組換え)として1回当たり2mg(0.05mL)を硝子体内投与(投与間隔は1カ月以上あける)

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