乳児血管腫治療薬「ヘマンジオルシロップ小児用0.375%」(一般名:プロプラノロール)の投薬期間制限が9月から解除されたのを受け、マルホは9月29日、乳児血管腫の最新治療について解説するメディア向けセミナーを開催した。
乳児血管腫は、従来からいちご状血管腫として知られている脈管性良性腫瘍の1つ。日本での有症率は1.7%、男女比は1:3〜9とされている。ヘマンジオルは、乳児血管腫を適応症とする国内初の治療薬として昨年7月に承認。「血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017」でプロプラノロール(ヘマンジオル)内服療法は「乳児血管腫に対し第1選択となる可能性のある薬剤」と記載された。
セミナーで講演した神奈川県立こども医療センター皮膚科部長の馬場直子氏(写真)は「従来、乳児血管腫は自然消退するのでwait & seeで良いとされてきたが、未治療の場合、機能障害や瘢痕などの後遺症が残ることがある」として、適応のある症例に対し早期にプロプラノロール内服療法を開始することの重要性を強調。「プライマリケア施設で治療が必要な症例や判断に迷う症例があれば、速やかに専門の診療施設に紹介してほしい」と述べた。
「ヘマンジオル」の効能・効果
乳児血管腫(十分な知識・経験を持つ医師が、有益性が危険性を上回ると判断した場合にのみ投与)
※乳児血管腫診療施設検索サイトはwww.maruho.co.jp/clinicsearch/kekkanshu/