塩野義製薬は10月25日、経口による1回のみの錠剤服用で治療が完結する新規インフルエンザ治療薬「S-033188」について、「成人および小児におけるA型またはB型インフルエンザウイルス感染症」を適応症として同日付で国内での製造販売承認申請を行ったと発表した。
S-033188は塩野義が創製した新規キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬。既存の薬剤とは異なる作用機序でインフルエンザウイルスの増殖を抑制する新規化合物で、厚労省より先駆け審査指定制度の対象品目に指定されている。
これまでに実施した臨床試験で、S-033188は既存薬のタミフルと比較して抗ウイルス効果が高く、投与翌日には50%以上の患者でウイルス力価の陰性化が認められている。さらに、非臨床試験で、鳥インフルエンザウイルスなどを含む様々な亜型のA型インフルエンザウイルスに対してもウイルス増殖抑制効果が確認されていることから、パンデミックへの備えとしても重要な薬剤となることが期待されている。
「S-033188」の臨床試験データ(CAPSTONE-1試験の結果より)
インフルエンザ罹病期間(中央値):プラセボ群80.2時間に対し53.7時間 ウイルス排出期間:タミフルに対し有意に減少 平熱に回復するまでの時間(中央値):プラセボ群42.0時間に対し24.5時間 など