厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会、第二部会はこのほど、別掲の医薬品8成分15品目の承認を了承した。
ノーベルファーマの小児てんかん治療薬「オクノベル」は、4歳以上の患者の部分発作に用いる。同剤はカルバマゼピンの中枢神経系・消化器系の副作用軽減を目的として開発された。臨床上では、他の第二世代抗てんかん薬と同様に第二選択薬として位置づけられる。ただ、同剤による重篤な皮膚障害が発生した場合に十分に対応できる体制を講じるため、てんかんに精通した医師による処方が行われるよう、同剤の管理者の設置など、他の第二世代薬より慎重な使用を求める。
中外製薬の抗腫瘍薬「アバスチン」には子宮頸癌の適応が新たに追加。日本イーライリリーの「サイラムザ」には、結腸・直腸癌の適応が追加される。
なお、第一部会では、日本ベーリンガーインゲルハイムの3成分配合の降圧薬「ミカトリオ」の審議も行われたが、継続審議にすることとなった。
我が国の高血圧治療ガイドラインでは、2成分で十分な降圧効果を得られない場合、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、カルシウム拮抗薬(CCB)、利尿薬の3成分併用療法が選択肢の1つとして推奨されている。このことから、同剤は第一選択薬としては用いず、3成分併用療法の選択肢として位置づけられるとされているが、部会では一部委員が3成分配合による降圧効果に関して、さらなる情報が必要と指摘したため、結論を見送った。