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2剤目のPCSK9阻害薬が承認へ - 新薬情報

No.4807 (2016年06月11日発行) P.13

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-24

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厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会と同第二部会はこのほど、別掲の7成分12品目の承認を了承した。
このうち、「プラルエント皮下注」は、PCSK9阻害薬と呼ばれる新作用機序の高コレステロール血症治療薬。同機序の製剤としては「レパーサ」(エボロクマブ)に続く2剤目。スタチン療法の効果が不十分で、強力なLDLコレステロール低下の必要性が高く、心血管イベントのリスクも高い患者に限定して、スタチンを含む既存治療に併用して投与される。
「トルツ皮下注」と「ルミセフ皮下注」は、ともに乾癬を効能・効果とする生物製剤。臨床においては、乾癬の標準療法である外用療法(副腎皮質ステロイド、ビタミンD3誘導体等)、光線療法、全身療法(シクロスポリン、エトレチナート等)など、既存治療で効果不十分な中等症・重症の患者に対する治療の選択肢の1つとして、既存類薬と同様の位置づけで使用される。

継続審議の品目が相次ぐ

第一部会では、抗血小板薬「ブリリンタ錠」の審議も行われたが、効能・効果のうち「経皮的冠動脈形成術が適用される急性冠症候群」に関して、「(既存類薬の)『プラビックス錠』に対する非劣性が認められていない臨床試験の結果がある」などの意見が出たため、次回会合で専門医から実臨床における同剤の意義についてヒアリングすることとなった。
また、降圧剤としては国内初の3剤配合剤となる「ミカトリオ配合錠」は、前回会合で、ARB、CCB、利尿薬の配合意義を巡り複数委員が臨床における有益性を疑問視。今回の会合で厚労省が3剤の使用実績等のデータに基づき「高齢患者が投与対象になる」と説明したが、部会の意見は一致せず結論は持ち越しとなった。
このほか第二部会では、肝性脳症治療薬の「リフキシマ錠」が耐性化リスクに関するデータ不足を理由に継続審議となった。

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