薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は25日、アストラゼネカの抗PD-L1抗体「イミフィンジ」(一般名:デュルバルマブ)について、承認して差し支えないとの結論をまとめた。6月にも正式に承認される見通し。
同薬は免疫チェックポイント阻害薬。対象疾患は「白金系抗悪性腫瘍薬による根治的化学放射線療法を行った後に疾患進行が認められなかった、切除不能な局所進行の非小細胞肺癌」。非小細胞肺癌に適応を有する類薬には、抗PD-1抗体の「オプジーボ」(同:ニボルマブ)と「キイトルーダ」(同:ペムブロリズマブ)、抗PD-L1抗体の「テセントリク」(同:アテゾリズマブ)があるが、これらは「切除不能な進行・再発」の場合に用いるもので、イミフィンジとは適応範囲が異なっている。
同日の部会では、根治切除不能な悪性黒色腫に対するオプジーボと抗CTLA4抗体「ヤーボイ」(同:イピリムマブ)の併用療法の承認も了承された。なお、両剤の製造販売元の小野薬品工業とブリストル・マイヤーズスクイブは今年1月、「根治切除不能または転移性の腎細胞癌」への適応でも承認申請を行っている。
・イミフィンジ点滴静注120mg、同500mg(デュルバルマブ〈遺伝子組換え〉、アストラゼネカ):切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学療法後の維持療法
・ヌーカラ皮下注用100mg(メポリズマブ〈遺伝子組換え〉、グラクソ・スミスクライン):既存治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(既存の気管支喘息の用法・用量以外に、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の用法・用量を追加)
・アイセントレス錠600mg(ラルテグラビルカリウム、MSD):HIV感染症
・インフリキシマブBS点滴静注用100mg「ファイザー」(インフリキシマブ〈遺伝子組換え〉のバイオ後続品、ファイザー):関節リウマチ、乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎
・①オプジーボ点滴静注20mg、同100mg(ニボルマブ〈遺伝子組換え〉、小野薬品工業)/②ヤーボイ点滴静注液50mg(イピリムマブ〈遺伝子組換え〉、ブリストル・マイヤーズスクイブ):根治切除不能な悪性黒色腫(併用療法における用法・用量)
・ブスルフェクス点滴静注用60mg(ブスルファン):①同種造血幹細胞移植の前治療、②ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、神経芽細胞における自家幹細胞移植の前治療
・エルプラット点滴静注液50mg、同100mg、同200mg(オキサリプラチン)/5-FU注250mg、5-FU注1000mg(フルオロウラシル)/アイソボリン点滴静注用25mg、同100mg(レボホリナートカルシウム):小腸癌