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エーザイ:抗がん剤「レンビマ」適応拡大で肝細胞癌治療に変革[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.4929 (2018年10月13日発行) P.15

登録日: 2018-10-11

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近畿大消化器内科主任教授の工藤正俊氏(写真)は9月18日、エーザイがメディア向けに開いた説明会で講演し、抗がん剤「レンビマ」(一般名:レンバチニブ)の効能・効果として今年3月に新たに「切除不能な肝細胞癌」が承認されたことの意義について解説した。

今回の承認は、標準治療薬ソラフェニブを対照として「全生存期間」で統計学的な非劣性、「無増悪生存期間」や「奏効率」で総計学的に 有意かつ臨床的に意義のある改善が示されたREFLECT試験(肝細胞癌患者954人が参加)の結果に基づくもの。肝細胞癌に対する有効な一次治療薬の登場は日本では約10年ぶりとなる。

REFLECT試験結果の論文作成をリードした工藤氏は「分子標的薬では奏効率40%を初めて超えた」とレンビマの奏効率の高さを強調。レンビマの登場で癌のダウンステージングにより治療法を根治的な方法(切除・マイクロ波・ラジオ派・塞栓療法)にスイッチできる可能性が出てきたとし、肝癌細胞癌治療のアルゴリズムは大きく変わるとの見方を示した。

工藤氏はさらに、「(レンビマは)免疫チェックポイント阻害薬の活性を増強する可能性がある」として、抗PD-1抗体(オプジーボ、キイトルーダ)などとの併用療法にも期待を示した。

今年3月に新たに承認された「レンビマ」の効能・効果と用法・用量
【効能・効果】切除不能な肝細胞癌 【用法・用量】体重60kg以上の場合は12mg、60kg未満の場合は8mgを1日1回経口投与(患者の状態により適宜減量)

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