厚生労働省は8日、定期接種に用いられている組換え沈降B型肝炎ワクチン「ヘプタバックス」について、製造販売元のMSDから、今年10月以降に安定供給が困難になる恐れがあるとの報告があったことを公表した。同省は、定期接種のB肝ワクチンを製造するもう1社のKMバイオロジクスにできる限りの増産を求める方針で、「喫緊で安定供給に影響するものではない」としている。需給状況を踏まえ、夏頃に改めて必要な対応を検討する。
同日に開かれた厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の「研究開発及び生産・流通部会」で報告された。
MSDによると、安定供給の困難が予測されるのは、米メルク社における原液製造工程で規格を満たせない事象が頻発するようになり、日本を含む世界各国へ供給している製剤の製造を中止したことが原因。国内で現在の出荷量が継続した場合、水性懸濁注シリンジ0.25mLの規格では20年1月以降、同0.5mLの規格では19年10月以降に、卸売販売業者への供給が継続できなくなる可能性があるという。製造と供給の再開は早くとも20年半ば以降となる見込み。