興和は9月29日、新規緑内障・高眼圧症治療薬「グラナテック点眼液0.4%」(一般名=リパスジル塩酸塩水和物)が9月26日付で製造販売承認を取得したのを受け、記者発表会を開いた。
グラナテック点眼液は、世界初の作用機序を有する緑内障・高眼圧症治療薬。Rhoキナーゼ(ROCK:Rho-associated, coiled-coil containing protein kinase)を阻害することにより、線維柱帯─シュレム管を介する主流出路からの房水流出を促進し眼圧を下降させる。メカニズムが全く違うため、既存の緑内障治療薬(ピロカルピン、ジピベフリン、チモロール、ハイパジール、ドルゾラミド、ブリモニジン)すべてと併用可能とされている。
緑内障は日本の中途失明原因の第1位(2005年)で、エビデンスに基づいた唯一確実な治療法は「眼圧を下降させること」しかない。記者発表会で興和の白石浩一専務は「房水の主流出路である線維柱帯─シュレム管に直接作用するメインの薬ができた」と強調。これまで3剤以上併用していた患者も、グラナテック点眼液を使うことで1〜2剤に減らすことができるとした。
興和はグラナテックについて配合剤の開発を検討中。将来的に網膜症などへの適応拡大も目指しているという。
●「グラナテック点眼液0.4%」の効能・効果、用法・用量
[効能・効果]緑内障、高眼圧症で、他の緑内障治療薬が効果不十分または使用できない場合
[用法・用量]1回1滴、1日2回点眼
グラクソ・スミスクラインは9月3日、成人てんかん患者に対する「単剤療法」の適応追加の承認を8月29日付で取得した「ラミクタール錠25mg」「同錠100mg」(一般名=ラモトリギン)についてメディア向けセミナーを開いた。
てんかんの薬物療法を巡っては、2006年以降、ラミクタール錠を含め4種の新規抗てんかん薬が日本で承認され、治療選択肢が増えている。しかし、どれも併用療法のみの適応で単剤では使えないという課題があり、日本てんかん学会をはじめとする関連学会は、海外で既に単剤療法の適応を有している新規抗てんかん薬について、日本でも単剤で使用可能とするよう要望していた。今回の承認は、新規抗てんかん薬として初めての単剤療法の承認となる。
セミナーで日本のてんかん診療の課題について講演したてんかん学会理事長の大澤真木子氏(写真)は「てんかんは慢性疾患であり、長期間服薬をしながら人生を過ごすこととなるため、患者への負担を最小限にとどめることが望まれる。てんかんの薬物療法の基本は単剤療法」とし、「新規抗てんかん薬が日本において単剤療法で処方できるようになった意義は大きい」と強調した。
●「ラミクタール錠25mg」「同錠100mg」に追加された効能・効果
成人てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)および強直間代発作に対する単剤療法
※併用療法の承認は2008年10月に取得