医療保険財政への影響が懸念される高額薬剤への緊急対応として、中央社会保険医療協議会薬価専門部会は24日、薬価の期中引下げを可能にする“期中改定”導入に向けた検討を開始した。
厚生労働省は同日の会合に、高額薬剤への対応案を提示。今後、薬価専門部会では薬価制度の抜本的見直しとなる「次期改定に向けた取り組み」と、がん免疫療法薬「オプジーボ」を念頭に置いた「当面の対応」について検討を行う。
当面の対応を巡っては、期中改定導入の是非が大きな争点となる。厚労省はオプジーボの薬理作用に類似した医薬品が承認申請されている現状を踏まえ、期中に薬価を引き下げる方針を提示。対象薬剤の範囲として、(1)2016年度薬価改定の再算定の検討に間に合わなかった、(2)16年度市場規模が当初予測の10倍超かつ1000億円超─の2点を要件に設定した。
支払側は要件について検討が必要としたものの、期中改定の導入を支持。一方、診療側は中川俊男委員(日本医師会、写真右)が、「(策定する)最適使用推進ガイドラインを踏まえた留意事項通知などで、使用を限定すればかなりの薬剤費抑制効果が見込める」との見方を示し、導入に慎重な構えを見せた。