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原価計算方式の算定シミュレーションを問題視【中医協薬価専門部会】

No.4867 (2017年08月05日発行) P.16

登録日: 2017-07-31

最終更新日: 2017-08-03

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中央社会保険医療協議会の薬価専門部会は7月26日、薬価制度の抜本改革に向けた論点整理を行った。会合では、正確性・透明性が課題とされる原価計算方式のあり方について問題視する声が相次いだ。

同日の会合で厚生労働省は、類似薬がない場合に製造原価などを積み上げて薬価を算出する原価計算方式のシミュレーションを例示した。保険局の中山智紀薬剤管理官は具体的な算定に当たり、承認された効能・効果に直接関係しない適応に関する費用や、学会参加費・論文投稿費など直接関係しない費用は認められない、などとする主な基準を示し、製薬企業が提出する項目ごとに厳しく査定していることを強調した。

これを受け、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会)は「説明を受けたが原価計算方式はやはり製薬メーカーの言い値という印象が残る」と問題視。幸野氏は何年かけて研究開発費を回収するかという研究開発費償却の考え方について「償却期間を8年ではなく特許期間にすべきではないか」と提案した。

また診療側の今村聡委員(日本医師会)は、現行制度では卸の利益率が上がると薬価も上がる仕組みとなっている点について疑問を呈し、「むしろ逆であるべきではないか」との考えを示した。


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