薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は6日、サノフィのアトピー性皮膚炎治療薬「デュピクセント皮下注」(一般名:デュピルマブ〈遺伝子組換え〉)の承認を了承した。12月にも正式に承認され、アトピー性皮膚炎では国内初の抗体医薬となる。
同薬はインターロイキン(IL)-4受容体のアルファサブユニットに対するヒトIgG4モノクローナル抗体で、アトピー性皮膚炎の病態形成に関与するIL-4とIL-13を介したシグナル伝達経路を阻害する。ステロイド外用薬、タクロリムス外用薬など、既存の抗炎症外用薬で効果不十分な患者に用いる。成人には600mgを投与初日に1回皮下投与し、その後は300mgを2週に1回皮下投与する。サノフィは使用対象患者数を約2万7000人と見込んでいたが、最適使用推進ガイドライン(用語解説)の対象品目となったため、対象患者が絞り込まれる可能性がある。
同日の部会では、久光製薬の「アレサガテープ」(エメダスチンフマル酸塩)の承認も了承された。同薬はアレルギー性鼻炎に用いる貼付剤。同成分を含有する既承認の経口剤が1日2回投与であるのに対し、同薬は1回4mgを胸部、上腕部、背部または腹部のいずれかに貼付し、24時間ごとに貼り替える。症状に応じて1回8mgに増量できる。臨床上では、既承認のヒスタミンH1受容体拮抗薬と同様の位置づけとなる。
アレサガテープ4mg、同8mg(エメダスチンフマル酸塩、久光製薬):アレルギー性鼻炎【新投与経路医薬品】
デュピクセント皮下注300mgシリンジ(デュピルマブ〈遺伝子組換え〉、サノフィ):既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎【新有効成分含有医薬品】
ネイリンカプセル100mg(ホスラブコナゾールL-リシンエタノール付加物、佐藤製薬):爪白癬【新有効成分含有医薬品】
テセントリク点滴静注1200mg(アテゾリズマブ〈遺伝子組換え〉、中外製薬):切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌【新有効成分含有医薬品】
アディノベイト静注用250、同500、同1000、同2000(ルリオクトコグ アルファ ペゴル〈遺伝子組換え〉、バクスアルタ):血液凝固第Ⅷ因子欠乏患者における出血傾向の抑制【新用量医薬品(12歳未満の小児用量を追加)】
キイトルーダ点滴静注20mg、同100mg(ペムブロリズマブ〈遺伝子組換え〉、MSD):再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫【効能追加】
エタネルセプトBS皮下注用10mg「MA」、同25mg「MA」、同25mgシリンジ0.5mL「MA」、同50mgシリンジ1.0mL「MA」、同50mgペン1.0mL「MA」(エタネルセプト〈遺伝子組換え〉、持田製薬):既存治療で効果不十分な、関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎【バイオ後続品】