薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は11月24日、再発卵巣癌の維持療法に用いる経口分子標的薬「リムパーザ錠」(一般名:オラパリブ、アストラゼネカ)の承認を了承した。
同薬は「PARP阻害薬」と呼ばれ、DNA修復に関与する酵素PARPに対する阻害作用を持つ低分子化合物。DNA損傷応答の経路に異常を来した癌細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導することで、腫瘍の増殖を制御する。臨床上の位置づけは「白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学治療の投与終了後から再発までの期間が6カ月以上であり、かつ直近の白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法による奏効が継続している再発卵巣癌に対する治療選択肢の1つ」となる。
同日の部会では、抗PD-1抗体の「キイトルーダ」(ペムブロリズマブ、MSD)について「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌」に対する効能追加が了承された。承認されれば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体のいずれでも初めて尿路上皮癌に適応を持つ医薬品となる。