サノフィは5月18日、4価髄膜炎菌ワクチン(ジフテリアトキソイド結合体)「メナクトラ筋注」を発売した。
メナクトラは、髄膜炎菌のうち血清型A、C、YおよびW-135による侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD:Invasive Meningococcal Disease)を予防するワクチン。今年2月に1万9827円で薬価収載されているが、保険適用の対象はエクリズマブ投与患者に限定される。
IMDは、日本での発症数は少ないものの、急速に進展し、時として発症から24〜48時間以内に患者の5〜10%が死に至る重篤性の高い疾患。日本国内の疫学調査では、発症のピークは0〜4歳と15〜19歳とされている。
メナクトラの接種回数は1回で、0.5mLを筋肉内に接種する。他のワクチン製剤との接種間隔については「生ワクチンの接種を受けた者は通常27日以上」「他の不活化ワクチンの接種を受けた者は通常6日以上」の間隔を置いて接種することとされている。なお2歳未満の小児等に対する安全性・有効性は確立されていない。
IMDの国内における認知度は低く、一般的な情報も限られているため、サノフィでは昨年4月に「IMD情報センター」(www.imd-vaccine.jp)を立ち上げ、IMDのリスクと予防の重要性について啓発活動を進めている。
●メナクトラ筋注の接種上注意すべき「重大な副反応」
①ショック、アナフィラキシー ②急性散在性脳脊髄炎(ADEM) ③ギラン・バレー症候群 ④横断性脊髄炎 ⑤けいれん
5月はツムラが13日、武田薬品工業が15日にそれぞれ決算説明会を開き、2014年度の業績を発表した。
ツムラは、医療用漢方129処方などの伸びで売上高は前年度比27億円のプラスとなったものの、薬価改定や生薬価格高騰・為替円安の影響を受け、営業利益は前年度比13.2%減となった。医療用漢方製剤市場全体におけるツムラのシェアは前年度と変わらず84.5%。
加藤照和社長は、国内の漢方市場拡大のため、漢方薬が効果を発揮しやすい疾患・症状別に3〜5処方を選定し、一般開業医などに情報提供する「疾患・症状別アプローチ」などにさらに力を入れる方針を示した。
武田薬品工業も、「ネシーナ」「アジルバ」「アドセトリス」「タケキャブ」などの新製品が成長したものの、ジェネリック浸透や薬価改定の影響で長期収載品が大きく落ち込み、国内市場の業績は前年度に比べ4.1%減となった。
クリストフ・ウェバー社長(写真)は、世界レベルのイノベーション推進などにより成長軌道への回帰を目指すとしながら、2015年度の見通しについて「ジェネリックの影響が大きいため、プラスになるとは考えていない」と述べた。
●ツムラ医療用漢方製剤・売上高上位5処方(2014年度)
①大建中湯(99.9億円、前年度比2.1%増) ②補中益気湯(69.7億円、1.2%増) ③抑肝散(69.0億円、4.0%増) ④六君子湯(66.3億円、0.3%増) ⑤芍薬甘草湯(44.4億円、6.2%増)