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1ステップ漸増法の承認取得[新薬FRONTLINE]

No.4767 (2015年09月05日発行) P.79

登録日: 2016-08-08

最終更新日: 2017-02-13

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小野薬品工業/ノバルティスファーマ:「リバスタッチ」「イクセロン」1ステップ漸増法の承認取得

小野薬品工業とノバルティスファーマは8月24日、アルツハイマー型認知症(AD)治療薬「リバスタッチパッチ4.5mg、9mg、13.5mg、18mg」「イクセロンパッチ4.5mg、9mg、13.5mg、18mg」(一般名:リバスチグミン)について用法・用量の追加承認を同日付で取得したと発表した。

リバスチグミンは、スイスのノバルティスファーマ社が創製した経皮吸収型のAD治療薬。日本ではノバルティスファーマと小野薬品が共同開発を行い、2011年4月に製造販売承認を取得、小野薬品が「リバスタッチパッチ」、ノバルティスファーマが「イクセロンパッチ」の製品名で同年7月より販売を開始した。

今回新たに承認された用法・用量は「患者の状態に応じて、1日1回9mgを開始用量とし、原則として4週後に18mgに増量することもできる」というもの。これまで両製品の用法・用量は、1日1回4.5mgから使用を開始し、原則として4週ごとに4.5mgずつ増量し、投与開始から12週後に維持量の1日1回18mgに達する“3ステップ漸増法”のみだったが、これに“1ステップ漸増法”が加わることとなった。

日本人のAD患者を対象に実施された二重盲検比較臨床試験では、1ステップ漸増法群と3ステップ漸増法群とで忍容性・安全性および有効性は同程度だったとされている。

●「リバスタッチパッチ」「イクセロンパッチ」の使用方法
背部、上腕部、胸部のいずれかの正常で健康な皮膚に貼付し、毎日ほぼ同じ時間に(24時間ごとに)貼り替える(使用中のパッチを貼ったまま新しいパッチを貼らない)

日本ベーリンガーインゲルハイム:特発性肺線維症治療薬「オフェブ」承認で記者発表会

日本ベーリンガーインゲルハイムは8月20日、7月3日に製造販売承認を取得した特発性肺線維症(IPF)治療薬「オフェブカプセル100mg、同カプセル150mg」(一般名:ニンテダニブエタンスルホン酸塩)について新製品記者発表会を開いた。

IPFは、慢性かつ進行性の経過をたどり、最終的には死に至る肺線維化疾患。肺組織の進行性の瘢痕化と経時的な呼吸機能の低下を特徴とする難病で、有病率は世界で10万人当たり14〜43人、5年生存率は大腸がんや白血病よりも低いとされている。

「オフェブ」は、肺の線維化に直接関与する分子群の受容体チロシンキナーゼを選択的に阻害しIPFの進行を抑制する抗線維化薬。IPFに対する初の分子標的薬として、呼吸機能の減少率の低下、急性増悪の発現リスクの抑制が期待されている。

記者発表会で講演した自治医大呼吸器内科教授の杉山幸比古氏は、「ニンテダニブ(オフェブ)は、IPFを対象とした2つのグローバル臨床試験で一貫した疾病進行抑制が証明された一次治療薬」とし、今年7月に改訂されたIPF治療の国際ガイドラインで、抗線維化薬ピルフェニドンとともにニンテダニブが「条件付きで推奨」とされたことを紹介した。

●「オフェブカプセル」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】特発性肺線維症 【用法・用量】1回150mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与(患者の状態により1回100mgの1日2回投与へ減量)

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