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最期を楽しむ [プラタナス]

No.4719 (2014年10月04日発行) P.3

岡原仁志 (おかはら会理事長・おげんきクリニック院長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-27

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  • 1995年、伊豆保健医療センター赴任。そこで素敵な在宅医療に出合い、在宅での看取り支援開始。99年、映画『パッチ・アダムス』を観て、順天堂の学是「仁」をようやく理解する。2003年に帰島し、父の診療所を引き継ぎ、翌年「おげんきクリニック」を開院。「医は仁術」をめざし、在宅看取り支援開始。同年、パッチ・アダムス氏の「パッチ・アダムスIN神戸2004」に参加。「ハグ」の大切さを学び、氏の教えに沿って日本で初めてハグを医療に導入。ハグとともに在宅看取り支援した数家族から、「故人のことを思い出すのが楽しい」と教えていただき、人生の最期を「楽しい思い出」にできることを学ぶ。

    2006年に肺がん脳転移の看護師Eさんの在宅での看取り支援。最初の往診はプチ仮装して行った。とても喜ばれ、以後、Eさんや家族の希望により約4カ月すべて仮装して往診。その都度、記念撮影。また、娘さんたちが詞を書き、ボランティアが曲を付け、「かあさん、ありがとう」の歌を届けるコンサート往診。Eさんは、その後1カ月間その歌を聴き、楽しみながら最期を迎えた。最期の日も家族がEさんを仮装し、娘さんたちは亡くなったお母さんとピースサインで記念撮影。Eさんのお母さんは、「娘は楽しんでいた。楽しい介護だった」と言われた。誰にも必ずやってくる最期を「楽しむ」ことができることを学んだ。

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