複数の身体疾患を持つ患者ほど抗不安薬・睡眠薬の重複処方の可能性が高いとの調査結果を医療経済研究機構が2日、発表した。
調査は健康保険組合に加入する約118万人を追跡。抗不安薬・睡眠薬の大部分を占めるベンゾジアゼピン受容体作動薬について、複数の医療機関から同じ患者に処方されている実態を調べたもの。
その結果、757人(1.3%)が連続31日以上にわたり重複処方を受けていたことが判明。身体疾患が2つ以上の場合は重複処方の割合が4.5%と、身体疾患が1つの場合の2.4%に比べて高かった。
重複処方が認められた757人のうち、1年後も半数以上の52.7%に重複処方が行われていた。
調査を行った奥村泰之同機構主任研究員らは「多施設で複数の身体疾患を治療する中で、意図せず重複処方が生じている」として、複数の身体疾患を持つ患者に対し、薬剤師の関与を強化するなどの対策が必要と提言している。