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「リムパーザ」、乳癌への適応拡大を了承―新薬情報

No.4910 (2018年06月02日発行) P.19

登録日: 2018-05-24

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薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は23日、アストラゼネカの抗悪性腫瘍薬「リムパーザ」(一般名:オラパリブ)について、「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌」への適応拡大を承認して差し支えないとの結論をまとめた。6月にも正式に承認される見通し。BRCA陽性を判定した上で使う薬剤の承認は初めてとなる。

同薬は4月に、再発卵巣癌への適応で薬価収載されている。なお、同日に開かれた中央社会医療保険協議会(中医協)の総会では、BRCA1またはBRCA2遺伝子変異を検出し、同薬の乳癌患者への適応判定の補助に用いる「BRACAnalysis診断システム」を了承した。

■感染性腸炎治療薬「ダフクリア」承認へ

同日の部会では、感染性腸炎の一種であるクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)に用いるアステラス製薬の「ダフクリア」(同:フィダキソマイシン)の承認も了承された。CDIについては、日本化学療法学会と日本感染症学会が近く、同薬に関する記載を盛り込んだ診療ガイドラインを公表する。

■近く承認が予定される医薬品

・レフィキシア静注用500、同1000、同2000(ノナコグベータペゴル〈遺伝子組換え〉、ノボ ノルディスクファーマ):血液凝固Ⅸ因子欠乏患者における出血傾向の抑制

・ダフクリア錠200mg(フィダキソマイシン、アステラス製薬):〈適応菌種〉同薬に感性のクロストリジウム・ディフィシル感染症、〈適応症〉感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)

・スピラマイシン錠150万単位「サノフィ」(スピラマイシン、サノフィ):先天性トキソプラズマ症の発症抑制

・イラリス皮下注用150mg、同皮下注射液150mg(カナキヌマブ〈遺伝子組換え〉、ノバルティスファーマ):既存治療で効果不十分な全身型若年性特発性関節炎

・①ガザイバ点滴静注1000mg(オビヌツズマブ〈遺伝子組換え〉、中外製薬)/②トレアキシン点滴静注用25mg、同100mg(ベンダムスチン塩酸塩、シンバイオ製薬):①CD20陽性の濾胞性リンパ腫、②低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫(①と併用できるよう用法・用量を変更)

・リムパーザ錠100mg、同150mg(オラパリブ、アストラゼネカ):がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌(既存の白金系抗悪性腫瘍薬感受性の再発卵巣癌における維持療法以外に追加)

・タフィンラーカプセル50mg、同75mg(ダブラフェニブメシル酸塩、ノバルティスファーマ)/メキニスト錠0.5mg、同2mg(トラメチニブジメチルスルホキシド付加物、ノバルティスファーマ):①②BRAF遺伝子変異を有する悪性黒色腫(併用療法として術後補助療法を追加)

・イムブルビカカプセル140mg(イブルチニブ、ヤンセンファーマ):慢性リンパ性白血病(ファーストラインの治療選択薬に変更)

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