著: | 髙井省三(筑波大学名誉教授) |
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判型: | 菊判 |
頁数: | 136頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2010年07月29日 |
ISBN: | 978-4-7849-3205-4 |
版数: | 第1版 |
付録: | - |
すべての構造を実物の写真で!
・骨格標本を各方向から撮影し、部位の名称を付け、解説を加えました。
・すべての構造を実物の写真で見ることができますので、わかりやすさ抜群です。
・関節の内部構造など写真だけではわかりにくいところは、イラストを併用して解説。
・解剖学用語にはフリガナを添え、英語を併記しました。"
解剖学は人体の「かたち」と「つくり」を理解する学問であって、決して暗記する(憶える)だけの学問ではない、とよくいわれる。しかし、諸君にも遠い幼い昔、日本語というコトバを懸命に憶えた時代があったはずである。さらに、人体という都市を旅行するには、市町村名、駅名、河川名、道路名を指し示すコトバである解剖学用語を憶えることはどうしても避けられないであろう。
骨学実習は文字通り、人体の骨組みを実際に手に取って観察するもので、この実習をとおして個々の骨および骨格の知識を修得することはもちろん、広く形態学的なものの見方、あるいは科学的観察態度を養うことを目的とする。たとえば、次のような解釈ないしは視点をもって、骨のかたちを観察してみよう。
1. 機能的な解釈。効率よく生活し、生きのびるためのかたち。
2. 個体発生・系統発生による解釈。たとえば5本の指の解釈。
3. 構造力学的解釈。たとえば脊柱の弯曲と板バネのモデル。
骨学実習は、ともすれば、実物と名称の対照に終わってしまいがちである。しかし、解剖学用語の裏には多くのものが秘められているので、これを諸君の目と手とそして頭脳で、ぜひとも明らかにして欲しい。
「憶える」の反対語は「忘れる」であるが、「理解する」の反対語はあるであろうか? みのりある実習を期待する。
著者