著: | 河原 克雅(北里大学名誉教授・生理学) |
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著: | 佐々木 克典(信州大学名誉教授・組織発生学) |
著: | 飯野 哲(福井大学教授・解剖学) |
著: | 杉田 誠(広島大学教授・口腔生理学) |
著: | 酒井 秀紀(富山大学教授・薬物生理学) |
著: | 浅野 真司(立命館大学教授・分子生理学) |
判型: | A4変型判 |
頁数: | 96頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2025年01月29日 |
ISBN: | 978-4-7849-3263-4 |
版数: | 第5版 |
付録: | - |
シリーズ累計25万部突破!! さらにわかりやすくなった改訂版
人体の構造と機能を臓器別・全10巻に編集したシリーズ。
解剖学・生理学の高度な内容をやさしく学べる教科書として、全国の医学生から最も高い支持を得ています。
最新の知見に基づいて内容を更新するとともに、さらに読みやすく、わかりやすい教科書をめざしました。
【図解を中心とした構成】 フルカラーの図解を中心に構成したビジュアルな紙面。どの教科書よりも図が豊富でわかりやすいとの評価をいただいています。
【見開き完結】 ひとつのテーマが見開きで完結するよう編集。重要事項をコンパクトにまとめてあり、読みやすく理解しやすい。
【解剖・組織・生理の連携】 図解に沿ってマクロ・ミクロの構造を学び、その構造がどのような機能を果たしているのか、その構造や機能を支えている物質は何かを、順を追って学習できるよう構成しました。読み進めていくうちに、各臓器の構造と機能のつながりが実感できます。
消化管の概観
消化管は外界に開いた中空の管で,口から肛門まで長さ9mに及ぶ
消化管は食物を低分子の栄養素に分解し,細胞が利用できる形に変える
消化とは,酵素により食物を加水分解する化学反応である
顎・口腔
顎関節は上下2段の関節腔を持ち,下顎を自由に動かす
4つの咀嚼筋が下顎を閉じ,前後左右のすり合わせ運動を行う
舌は多数の筋からなる筋性器官である
3種の大唾液腺と多数の小唾液腺が口腔内に唾液を分泌する
唾液腺には粘液細胞と漿液細胞があり,自律神経により分泌が調節される
咽 頭
咽頭は横紋筋の管で,気道と消化管が交叉する
口腔の筋と咽頭の筋が順序よく働いて,食塊を食道へ送り込む
食 道
食道は気管と脊柱に挟まれて下行し,横隔膜を貫いて腹腔に出る
蠕動により,逆立ちしていても食塊は胃に送られる
食道の静脈は上大静脈と門脈の吻合路となる
胃
胃は心窩部付近にあり,腹膜でゆるく固定されている
平滑筋による蠕動運動は,胃内容を撹拌して少量ずつ送り出す
胃の粘膜は,びっしりと並んだ胃腺でできている
固有胃腺は4種類の細胞がトンネル状に並び,胃液を分泌する
酸分泌細胞のプロトンポンプが胃酸(HCl)を分泌する
胃液の分泌は迷走神経と局所ホルモンによって調節される
胃粘膜は粘液のバリアーで自らを守る
小 腸
十二指腸の大半は後腹壁に固定されている
小腸内壁の表面積はバレーボールのコートより広い
腸管は豊富な壁在神経叢を持ち,自律的に蠕動と分泌を調節する
絨毛を構成する吸収上皮細胞は24時間で新しい細胞に入れ替わる
微絨毛の膜が最終的な消化吸収の場である
栄養素の消化と吸収
3大栄養素の消化は加水分解,吸収は小腸粘膜細胞の膜輸送である
炭水化物は単糖に分解され,Na+とともに細胞内に入る
蛋白質はジペプチドやアミノ酸に分解され,それぞれの輸送体で吸収される
脂質は胆汁酸の助けを借りて粘膜表面に運ばれ,単純拡散で吸収される
腸管に入った水の98%は吸収される
ビタミンの多くは生体内で合成できないため,食物から摂取しなければならない
大 腸
結腸のうち横行結腸とS状結腸のみが間膜を持つ
回腸末端が盲腸内に突出して弁となり,逆流を防ぐ
直腸の下1/3は漿膜を欠き,周囲臓器と直に接する
肛門管は粘膜と皮膚が出会う場所である
結腸は水分を吸収して糞便を固め,直腸へ押し出す
消化管の病態
嘔吐は生理的防御反応である
蠕動運動のバランスが崩れると下痢や便秘になる
あらゆる食物抗原がアレルゲンになりうる
消化管と腹膜の発生
消化管は卵黄嚢のくびれから,1本の真っ直ぐな管として生ずる
胃と腸は回転しながらそれぞれの位置に収まる
前腸と中腸の回旋に伴い,腸間膜に大きな変化が起こる
[基礎知識]
上皮組織の分類