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【識者の眼】「フェブリクの憂鬱」宮内倫也

No.5000 (2020年02月22日発行) P.39

宮内倫也 (可知記念病院)

登録日: 2020-02-22

最終更新日: 2020-07-03

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  • 2011年に承認された高尿酸血症治療薬のフェブリク(一般名:フェブキソスタット)は、1日1回の服用で済む、中等度までの腎機能低下では用量調節が不要、ザイロリック(一般名:アロプリノール)よりも尿酸値を下げる、などのメリットがあります。しかし、CARES試験1)のセカンダリエンドポイントで死亡リスクがザイロリックよりも高くなったため、米国食品医薬品局(FDA)がBlackbox Warning(最も強い警告)を出し日本も添付文書を2019年7月に改訂しました。ただ、このリスク上昇は前述の通りセカンダリエンドポイントであり、他の試験の結果2)を見ると確定とは言い切れない点は強調しておくべきでしょう。しかし、フェブリクの心・腎・脳の保護を検証した日本からのFREED試験3)は、複合エンドポイント+ソフトエンドポイント+PROBE法という、ディオバン事件を思い出させる日本お得意?のいやらしいデザインであり、質の悪さが目立ちます。ちなみに、痛風発作そのものはザイロリックより多いことが添付文書の臨床成績の欄に記されています(なんと!)。

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