No.5042 (2020年12月12日発行) P.63
大野 智 (島根大学医学部附属病院臨床研究センター長)
登録日: 2020-12-04
最終更新日: 2020-12-04
筆者は、複数の大学・大学院等で「補完代替療法」に関する講義を受け持っている。ただし、医学生向けではなく看護学生、それも既に現場で看護師としての経験を積み、さらに認定看護師・専門看護師の資格を目指している学生が対象である。
日本看護協会が公表しているカリキュラム1)に挙げられている「教科目のねらい」「単元」について改めて確認してみると以下のように記載されていた。
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[教科目のねらい]緩和ケアを受ける患者が主体的に生活できるよう、心理・社会面のニーズを理解し適切なケアを提供するための看護師の役割を理解する。[単元名]補完代替療法を選択する患者へのケア
[教科目のねらい]がん化学療法に伴う症状の緩和技術とセルフケア支援を理解する。[単元名]マネジメントのために必要な知識と技術、非薬物療法(補完・代替療法を含む)
[教科目のねらい]がん性疼痛に対する様々な治療方法の特徴と看護を理解する。[単元名]その他の治療(東洋医学、代替・補完療法等)
[教科目のねらい]代替・補完療法について理解し、代替・補完療法を望む患者・家族に対する看護の役割及び方法を理解できる。[単元名]代替・補完療法
[教科目のねらい]認定領域以外のがん治療の特徴を理解することで、がん患者の理解を深める。[単元名]代替補完療法
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「がん」に関する分野に限定されるものの、講義の学習目標として、補完代替療法に関する相談に応じられることを目指していることが窺える。つまり、患者や家族が補完代替療法について抱く疑問や不安などについての相談窓口という重要な役割を看護師が医療現場で担っていると言える。
【文献】
1)日本看護協会:認定看護師教育基準カリキュラム [https://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cn_curriculum_a]
大野 智(島根大学医学部附属病院臨床研究センター長)[統合医療・補完代替療法⑫]