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「任せる」の重み[プラタナス]

No.5051 (2021年02月13日発行) P.3

門野夕峰 (埼玉医科大学整形外科教授)

登録日: 2021-02-13

最終更新日: 2021-02-09

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  • 整形外科医として関節リウマチをはじめとする炎症性疾患の診療を生業としているが、手術だけでなく薬物治療も含めて包括的な診療を心がけている。もちろん一人でできる訳はなく、診療科や職種の枠を超えたチームで機動力をもって対応することを意識している。そんな日々を過ごしているが、これまで一番強く記憶に残っている患者さんの話を紹介したい。

    ある日、リウマチ外来に「人工肘関節の弛みの治療をお願いします」という紹介状を持った患者さんが来られた。当時、外来で一番年下だった自分が担当することになった。人工肘関節の手術を受けていったん良くなったものの、徐々に痛くなってきたので数年ぶりに紹介元を受診したところ、すぐに大学病院を受診するよう言われた、とのことだった。診察をしてみると、疼痛が強くて可動域制限があり、おまけに不安定もあって右手で食事ができない状態であった。X線写真を見てビックリ!見たこともない機種が見たこともない状態になっていた(図1)。慌てて師匠とご意見番の2人に相談したところ、機種は判明したものの、「こんな状態は見たこともない!」とのお返事。でも最後に一言、「先生、任せるから頑張ってよ!」。

     

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