薬価改定で既存薬価は毎年下落する一方、薬剤費は増加傾向が続いている(図1)。その主要因は高額薬剤の存在だ。中でも適応拡大により年間1兆7500億円もの薬剤費がかかると試算された「オプジーボ」に代表される“超”高額薬剤が、国民皆保険制度を崩壊させる引き金となるのではないかとの懸念が広がっている。しかし画期的な効果があることも事実。その恩恵をどう享受すべきなのか─。「薬剤費亡国論」の真偽や薬価制度のあるべき姿、適正使用の推進など、高額薬剤問題をさまざまな角度から考えてみたい。
図1 2001年を100とした薬剤費指数の推移(中医協薬価専門部会資料を基に作成)