No.5109 (2022年03月26日発行) P.62
和田耕治 (国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授)
登録日: 2022-03-16
最終更新日: 2022-03-16
2022年3月7〜9日に東京都在住の成人(20〜69歳)にインターネットで調査を行った。以下に概要を示すが、対象者の代表性など限界がある上でのこととご理解を頂きたい。
・「2022年1月1日から回答した日までに発熱、咳、咽頭痛を1日以上経験した」のは17%(30代男性が22%で最も高かった)で、「症状がありPCR検査を受けた」のは8%(20代女性が12%で最も高かった)であった。「新型コロナと診断された」のは3%(20代女性が5%で最も高かった)であった。
・同じ期間に、「知り合い(メール等で連絡がとれる人)で新型コロナに感染した人はいますか」との質問には、39%が「はい」と回答した(20代女性は45%、40代男性は46%と高かった)。
・年代によって症状があったときに検査を受けるかどうかについては差があり、全体では症状があって検査を受けたのは47%であったが、40代男性では37%、50代女性では32%と低かった。
・全体では27%が3回目を接種していた。60代では男性56%、女性62%であったが、50代では男性27%、女性33%、40代では男性20%、女性19%であった。
・「3回目を接種した」と「2回接種して3回目を予定している」を合わせると全体では73%であった。60代では9割であったが、年代によって低下し、40代では7割、20代では6割程度であった。
・「2回接種したが、3回目は悩んでいる」は全体では13%であった。最も多かったのは20〜30代女性で約2割であった。理由として最も多かったのは、これまでの副反応が辛かったから(30%)、次いで、接種による効果やメリットを感じないから(24%)、であった。30代男性では特にこの2つの理由が74%を占めた。
・予防接種をするかしないかで一番信用している情報源は、医師・看護師などの医療従事者が最も多く32%、次いでテレビ13%、家族9%であった。
■
以上から、相応の感染者数はいたものの、数は限定的である可能性が高く、ワクチン接種も不十分であることを考えると、集団での免疫の獲得の点からしても春にかけて感染しうる人は多数である。
3回目の接種を進めることは重要であり、信頼されている医療者は、患者が受診した際には3回目のワクチン接種の有無を確認し、接種していない場合には地域の中で接種につなげることが重要である。また、副反応の情報についてもさらに国内のデータを示して伝える必要がある。
和田耕治(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授)[新型コロナウイルス感染症]