免疫学で使われる用語で臨床にかかわるもののうち,話題性の高いもの,新しく知られるようになったもの,聞いたことはあるが内容がよく理解されていないもの,有名であり機序が詳しく明らかにされたものを紹介したいというのが本書の目的である。
免疫学は進歩の速い分野であり,他分野との関連も幅広い。1999年に初版を刊行以来,それに呼応するべく,新しく知られたもの,事象がより解明されたものなどを加え改訂してきた。その中には,“自然リンパ球”,“自己炎症性疾患”,“オートファジー”など新しく生まれた概念のものもあった。前版から4年を経た現在,注目を集めている“癌治療のための免疫チェックポイント阻害薬”なども加える必要性を感じたし,既述のものについても,その後の知見の蓄積を反映させたい思いもあった。そこで,今回第4版を出版させて頂く次第となったわけである。
なぜそうなのかを理解して頂くため,多少専門的な記載となった部分もあるが,機序を知って頂いたほうがより理解が深まると考えたからである。本書が日常の診療の上でお役に立てば幸いである。
2017年初夏 著者