著: | 白澤信行(山形大学准教授) |
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著: | 佐藤巌(日本歯科大学教授) |
著: | 小泉憲司(順天堂大学助教) |
判型: | B5判 |
頁数: | 192頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2012年09月25日 |
ISBN: | 978-4-7849-1189-9 |
版数: | 第4版 |
付録: | - |
1 総 論
Q1 発生の全体像
Q2 ヒトの染色体
Q3 染色体の複製過程での変異
Q4 主な先天性代謝異常と遺伝形式
Q5 先天性異常を起こす因子
Q6 原始卵胞の形成から排卵・受精・着床まで
Q7 二層性胚盤,胚外体腔の形成
Q8 二層性胚盤から三層性胚盤へ
Q9 胚内体腔の形成
Q10 三層性胚盤の各部の分化
Q11 絨毛の形成と胎盤循環
Q12 胎盤と胎膜,羊水
Q13 異所性妊娠,双胎妊娠
Q14 小児腫瘍とその発生由来
Q15 鰓弓(咽頭弓)に由来する構造
Q16 咽頭溝・咽頭嚢の分化
Q17 鰓弓器官の異常
Q18 甲状腺の発生と異常
Q19 舌の発生
Q20 顔面の発生
Q21 鼻腔と口蓋の発生
Q22 舌・顔面・鼻腔・口蓋の異常
2 循環器
Q23 心内膜筒
Q24 心ループの形成
Q25 静脈洞の変化
Q26 心房の形成
Q27 房室管中隔の形成
Q28 心房中隔の形成
Q29 心室中隔の形成
Q30 心臓の流出路の形成
Q31 流出路の異常を伴う心奇形
Q32 弁の形成
Q33 動脈系の発生
Q34 大動脈弓の先天異常
Q35 胎児循環
Q36 出生時における循環系の変化
3 消化器・呼吸器
Q37 舌・唾液腺の発生と神経支配
Q38 歯の発生《歯堤から鐘状期まで》
Q39 歯の発生《エナメル質,象牙質,セメント質の形成》
Q40 原腸の発生
Q41 食道の発生
Q42 胃の発生
Q43 十二指腸の発生
Q44 中腸ループの回転
Q45 大腸の発生
Q46 小腸・大腸の固定と腹膜との関係
Q47 肝臓および胆嚢の発生
Q48 膵臓の発生
Q49 腸間膜の分化
Q50 体腔の分離と横隔膜の形成
Q51 喉頭と気管の発生
Q52 気管支と肺の発生
4 泌尿生殖器
Q53 泌尿生殖器系の初期発生
Q54 前腎および中腎の発生と退化
Q55 後腎(永久腎)の発生
Q56 腎臓の位置変化
Q57 腎臓の先天異常
Q58 膀胱の発生と先天異常
Q59 副腎の発生
Q60 生殖器の初期発生
Q61 精巣の発生と下降
Q62 精巣の先天異常
Q63 卵巣の発生と下降
Q64 男性の生殖管と付属器官の発生
Q65 女性の生殖管と付属器官の発生
Q66 子宮・腟の先天異常
Q67 男女の外生殖器の発生
Q68 男性外生殖器の先天異常
Q69 生殖器官の分化誘導
Q70 性分化の異常
5 骨格・筋・四肢
Q71 軟骨の発生
Q72 骨の発生
Q73 骨の異常
Q74 脊柱の形成
Q75 頭蓋骨の形成
Q76 筋組織の発生
Q77 頭部の筋の形成
Q78 体幹の筋と四肢の形成
6 神経系
Q79 神経板から神経管・神経堤の形成
Q80 脳胞の形成と分化
Q81 神経管壁の層分化
Q82 脊髄の形成と位置の変化
Q83 神経節の発生と神経線維の髄鞘化
Q84 髄脳から延髄の形成
Q85 後脳から小脳の形成
Q86 小脳および橋の分化
Q87 脈絡叢の発生
Q88 中脳の形成
Q89 間脳の発生
Q90 終脳から大脳半球の形成
Q91 大脳皮質の分化と大脳辺縁系
Q92 脊髄神経・脳神経の発生
Q93 自律神経の発生
Q94 中枢神経系の先天異常
7 感覚器・外皮
Q95 眼胞から眼杯の形成
Q96 網膜
Q97 虹彩
Q98 強膜・脈絡膜・角膜
Q99 水晶体
Q100 耳板,耳胞から内耳の形成
Q101 中耳《耳小骨,鼓室,耳管》
Q102 外耳
Q103 表皮と真皮
Q104 皮膚の先天異常
Q105 毛
Q106 爪
Q107 乳腺
改訂第4版にあたって
人体発生学は、肉眼解剖学や組織学と平行して医学生・歯学生が学ぶ科目です。肉眼解剖学や組織学は、完成した人体の構造を学びます。これに対し発生学は、受精卵から人体が完成するまでの個体形成を学びます。
ヒトを含めた多くの動物は、受精卵が細胞分裂と分化を重ねて複雑な形態となり、雌雄がそれぞれ卵子と精子を作る成体になることを繰り返して、世代交代を行っています。その一世代の変化を、発生学では3次元の立体的変化に時間経過を加えた4次元の変化として学ぶことになります。
また、人体発生学は正常な形態形成を学ぶとともに、その過程で起こる異常についても勉強します。それらの原因を知ることは、新生児や小児に認められる先天性異常への対処に役立つことになります。
本書に描かれている図は、人体発生過程の中の典型的な1シーンですから、次のシーンまでの経時的変化は想像するしかありません。まずは、典型的なシーンを集めて人体発生ドラマの全体像を把握した上で、個々の器官発生のストーリーを完成させることが大切です。次に、あの場面が違っていたならどのような展開になるかを想像すると、先天性異常が理解できるようになります。
医学・歯学を学ぶようになった諸君が、人体がいかに複雑な過程を経て形作られたかを知り、肉眼解剖学や組織学などの基礎医学や、これから学ぶ臨床医学に役立ててもらいたいと願っています。
著者ら
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。