監修: | 安原 一(昭和大学名誉教授) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 256頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2019年10月07日 |
ISBN: | 978-4-7849-1167-7 |
版数: | 第7版 |
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第1章 薬理学総論
第2章 中枢神経系に作用する薬物
第3章 末梢神経系に作用する薬物
第4章 循環器系に作用する薬物
第5章 血液・造血器に作用する薬物
第6章 抗炎症薬
第7章 呼吸器系に作用する薬物
第8章 消化器系に作用する薬物
第9章 泌尿器系に作用する薬物
第10章 抗感染症薬
第11章 抗腫瘍薬
第12章 ホルモン・ビタミン
第13章 中毒・毒性
第1章 薬理学総論
Q1 薬物の定義と薬理学の取り扱う領域
Q2 薬物動態学とは〈薬物の生体内動態を規定する4つの因子〉
Q3 薬物作用学とは〈薬理作用の種類〉
Q4 臨床薬理学の意義
Q5 薬物の膜透過の機序
Q6 pH、pKaの膜透過に及ぼす影響
Q7 薬物の吸収に影響を与える因子
Q8 薬物の投与経路〈各投与経路の吸収パターンと長所・短所〉
Q9 初回通過効果と生体内利用率
Q10 薬物の体内分布様式に関連する因子
Q11 薬物の臓器移行を妨げる関門
Q12 ドラッグデリバリーシステム
Q13 薬物の体内変化〈薬物代謝の4つの過程〉
Q14 薬物代謝酵素の働き
Q15 薬物の排泄経路〈腎臓から排泄されやすい薬物の条件〉
Q16 クリアランスと薬物消失速度・血中薬物濃度との関係
Q17 分布容積と体内薬物量・血漿薬物濃度との関係
Q18 半減期の求め方〈クリアランス・分布容積との関係〉
Q19 定常状態に達するまでの時間を規定するパラメータ
Q20 薬物の初回負荷量と維持量の関係
Q21 血中薬物濃度から投与量を調節する方法〈血中濃度の測定が必要な薬物の例〉
Q22 薬物と生体成分との相互作用
Q23 薬物と受容体との結合〈受容体の基本的性質〉
Q24 アゴニスト、アンタゴニストの意味
Q25 GTP結合蛋白質の役割
Q26 細胞膜受容体の分類とそれぞれの特徴
Q27 細胞質(核)受容体の構造と機能
Q28 受容体、伝達器、効果器の関係〈セカンドメッセンジャーとは〉
Q29 細胞内情報伝達系におけるカルシウムの役割
Q30 薬物作用の定量化〈治療係数、LD50、ED50の意味〉
Q31 薬物に対する生体の感受性〈薬理効果を左右する生体側の因子〉
Q32 小児の薬物療法
Q33 妊婦の薬物療法
Q34 薬物の併用と薬物相互作用
Q35 臨床的に重要な薬物相互作用
Q36 プラセボ効果とは
Q37 薬物治療における耐性の問題
Q38 副作用と有害作用の違い
Q39 有害事象と有害作用の違い
Q40 医薬品の開発から市販までの過程
Q41 医薬品開発の倫理的側面〈ヘルシンキ宣言と臨床試験〉
Q42 臨床試験は何のために必要か?
Q43 エビデンスに基づいた適正な薬物療法の考え方〈パーソナルドラッグとは〉
Q44 添付文書の読み方
第2章 中枢神経系に作用する薬物
Q45 全身麻酔薬の分類と特徴
Q46 吸入麻酔薬の種類と特徴
Q47 静脈麻酔薬の種類と特徴
Q48 麻酔前投薬の目的と種類
Q49 バルビツール酸誘導体の分類
Q50 バルビツール酸誘導体の薬理作用
Q51 ベンゾジアゼピン誘導体の薬理作用〈GABA受容体との相互作用〉
Q52 ベンゾジアゼピン誘導体の臨床応用と副作用
Q53 抗不安薬の種類と使い方
Q54 エタノールの薬理作用
Q55 抗精神病薬の種類と特徴
Q56 抗精神病薬の薬理作用
Q57 抗精神病薬の副作用〈薬物性パーキンソン症候群、悪性症候群とは〉
Q58 抗うつ薬の種類と特徴
Q59 抗うつ薬の薬理作用と副作用
Q60 炭酸リチウムの薬理作用
Q61 抗てんかん薬の選択
Q62 パーキンソン病の治療薬と誘発薬
Q63 キサンチン誘導体の薬理作用
Q64 覚せいアミンなどの大脳皮質興奮薬
Q65 オピオイド鎮痛薬の種類と作用機序
Q66 麻薬性鎮痛薬の薬理作用
Q67 片頭痛の発症機序と治療薬
Q68 認知症治療薬と脳循環・代謝改善薬
第3章 末梢神経系に作用する薬物
Q69 末梢神経系の機能的分類
Q70 ノルアドレナリン、アドレナリン、イソプレナリンの薬理作用
Q71 α、β受容体選択的作動薬とその臨床応用
Q72 α受容体遮断薬の種類と薬理作用
Q73 β受容体遮断薬の種類と特徴
Q74 β受容体遮断薬の臨床応用
Q75 アセチルコリンの神経伝達機構と受容体
Q76 ムスカリン様作用薬の種類と臨床応用
Q77 コリンエステラーゼ阻害薬の種類と臨床応用
Q78 抗コリン作用薬の種類と特徴
Q79 抗コリン作用薬の臨床応用と副作用
Q80 ニコチンの自律神経節に対する薬理作用
Q81 神経筋接合部の競合性遮断薬と脱分極性遮断薬の比較
Q82 末梢神経の興奮伝導と局所麻酔薬の作用機序
Q83 局所麻酔薬〈エステル型とアミド型の比較〉
Q84 神経障害性疼痛に用いられる鎮痛薬
第4章 循環器系に作用する薬物
Q85 心不全の病態生理と抗心不全薬の作用機序
Q86 ジギタリスの陽性変力作用の機序
Q87 ジギタリスの電気生理学的作用
Q88 ジゴキシンとジギトキシンの薬物動態の違い
Q89 ジギタリスの投与設計
Q90 ジギタリス中毒とその防止
Q91 不整脈の発生機序
Q92 各種抗不整脈薬の作用の比較
Q93 ジギタリス中毒の不整脈治療
Q94 抗不整脈薬の有害作用
Q95 狭心症の病態生理と抗狭心症薬の作用機序〈安定狭心症、不安定狭心症とは〉
Q96 ニトログリセリンの投与経路
Q97 カルシウム拮抗薬の種類と作用比較
Q98 硝酸化合物、カルシウム拮抗薬とβ遮断薬の併用
Q99 末梢循環不全におけるカルシウム拮抗薬の作用
Q100 心筋梗塞の治療に用いられる薬物
Q101 高血圧の原因と降圧薬の治療目的
Q102 白衣高血圧と仮面高血圧
Q103 高血圧発症におけるモザイク説
Q104 降圧薬の種類と特徴
Q105 交感神経抑制薬の作用点
Q106 中枢性降圧機序
Q107 レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系に影響する降圧薬
Q108 チアジド(サイアザイド)系利尿薬の長期投与時の副作用
Q109 段階的な降圧療法
Q110 高血圧性緊急症の治療
Q111 リポ蛋白代謝と動脈硬化の関係
Q112 脂質異常症(高脂血症)治療薬の作用機序
第5章 血液・造血器に作用する薬物
Q113 止血機序と止血薬の作用点
Q114 血小板凝集の機序
Q115 抗血小板薬の作用と臨床応用
Q116 血液凝固系・線溶系の機序
Q117 ヘパリンとワルファリンの違い
Q118 直接経口抗凝固薬
Q119 貧血の分類とその治療薬
Q120 鉄の体内動態と鉄剤投与時の注意点
第6章 抗炎症薬
Q121 炎症のケミカルメディエーター〈アラキドン酸カスケードの関与〉
Q122 抗炎症薬の種類
Q123 ステロイド性抗炎症薬の作用機序と副作用
Q124 非ステロイド性抗炎症薬の作用機序
Q125 非ステロイド性抗炎症薬の薬理作用と臨床応用
Q126 非ステロイド性抗炎症薬の副作用
Q127 関節リウマチの治療薬
Q128 高尿酸血症・痛風治療薬の作用機序
第7章 呼吸器系に作用する薬物
Q129 Ⅰ型アレルギー反応とは
Q130 気管支喘息の発生機序
Q131 化学伝達物質の薬理作用
Q132 気管支平滑筋の収縮・弛緩メカニズム
Q133 喘息治療に使われるステロイド薬
Q134 喘息治療に使われる気管支拡張薬
Q135 テオフィリンの薬効と血中濃度の関係
Q136 抗アレルギー薬の種類と作用
Q137 抗ヒスタミン薬の薬理作用
Q138 臨床でよく使われる喘息治療薬
Q139 鎮咳薬と去痰薬
Q140 呼吸興奮薬
第8章 消化器系に作用する薬物
Q141 消化管機能の調節機構
Q142 胃酸分泌のメカニズム
Q143 胃酸分泌過剰に用いられる薬物
Q144 消化性潰瘍の治療薬
Q145 胃運動促進薬の作用機序
Q146 嘔吐の発現機序〈制吐薬の作用点〉
Q147 下痢の原因と制瀉薬の作用機序
Q148 便秘の原因と下剤の作用機序
Q149 炎症性腸疾患の治療薬
Q150 胆嚢に作用する薬物
Q151 C型慢性肝炎の治療薬
第9章 泌尿器系に作用する薬物
Q152 尿の生成〈なぜ1日尿量は約1,500mLなのか〉
Q153 浮腫の原因〈体液の構成〉
Q154 利尿薬の種類と尿細管における作用点
Q155 浸透圧利尿薬の特性
Q156 炭酸脱水酵素阻害薬の薬理作用
Q157 ループ利尿薬はなぜ高天井(high-ceiling)利尿薬と呼ばれるのか?
Q158 近位尿細管における薬物の輸送
Q159 血中カリウムを保持する利尿薬
Q160 心房性ナトリウム利尿ペプチドとは
第10章 抗感染症薬
Q161 感染症の定義と抗生物質療法の目的
Q162 抗生物質の作用機序による分類
Q163 抗菌スペクトルとは
Q164 耐性菌の出現機序
Q165 抗生物質の体内動態
Q166 β-ラクタム系抗生物質とβ-ラクタマーゼ
Q167 β-ラクタム系抗生物質の有害作用
Q168 ペニシリン系抗生物質の抗菌スペクトル
Q169 セフェム系抗生物質の抗菌スペクトル
Q170 緑膿菌感染症に有効な抗生物質
Q171 マイコプラズマ感染症に有効な抗生物質
Q172 クラミジア感染症に有効な抗生物質
Q173 配合抗菌薬の配合理由
Q174 ニューキノロン薬の抗菌スペクトルと作用機序
Q175 結核の治療と抗結核薬の作用機序
Q176 抗感染症薬におけるサルファ薬の位置づけ
Q177 ウイルス感染症の治療薬
Q178 真菌感染症と抗真菌薬の位置づけ
Q179 寄生虫感染症の治療薬
Q180 消毒の定義と消毒薬の種類
Q181 消毒効果に影響を及ぼす因子
第11章 抗腫瘍薬
Q182 癌化学療法の基本コンセプト
Q183 細胞周期と抗腫瘍薬
Q184 抗腫瘍薬の分類と作用機序
Q185 抗腫瘍効果が得やすい腫瘍と得にくい腫瘍
Q186 分子標的治療薬
Q187 免疫チェックポイント阻害薬
Q188 抗腫瘍薬の有害作用
Q189 抗腫瘍薬に対する薬剤耐性
Q190 免疫抑制療法
Q191 BRM薬の作用機序
第12章 ホルモン・ビタミン
Q192 ホルモン療法の意義
Q193 ホルモンの作用機序
Q194 視床下部ホルモンの種類と作用、臨床応用
Q195 下垂体前葉ホルモンの種類と作用、臨床応用
Q196 下垂体後葉ホルモンの種類と作用、臨床応用
Q197 甲状腺ホルモンの作用と臨床応用
Q198 抗甲状腺薬の作用機序
Q199 インスリンの合成・分泌と作用
Q200 インスリンの種類
Q201 経口血糖降下薬
Q202 糖尿病治療の考え方
Q203 副腎皮質ホルモンの種類と作用
Q204 副腎皮質ホルモンの臨床応用と有害作用
Q205 性ホルモンの種類と作用、臨床応用
Q206 カルシウム代謝を調節するホルモン
Q207 骨粗鬆症の治療薬
Q208 消化管ホルモンとは
Q209 脂溶性ビタミンの種類と作用
Q210 水溶性ビタミンの種類と作用
第13章 中毒・毒性
Q211 薬物と毒物の違い
Q212 即時型毒性と遅発型毒性
Q213 可逆的毒性と不可逆的毒性
Q214 催奇形性とは
Q215 予知できる有害作用とできない有害作用
Q216 急性中毒と慢性中毒
Q217 急性中毒の治療
Q218 アルコールの代謝経路と中毒
Q219 農薬中毒(パラコート中毒)
Q220 重金属中毒(水銀中毒、鉛中毒)
Q221 一酸化炭素中毒
Q222 サリン中毒
改訂第7版にあたって
本書の初版が出版されたのは1993年のことである。以来、幸いにも多くの読者に恵まれ、たびたび版を重ねてきたことは、著者一同喜びにたえない。
この間、著者らは増刷のたびにチェックを行い、内容に誤りなきよう努めてきた。また、約4年ごとにすべての内容を見直し、全面的な改訂を行ってきた。
今回の第7版も、Q&A形式で薬理学の要点を簡潔にまとめるという初版以来の編集方針を維持しつつ、内容のupdateを図った。関連・対比して覚えるべき薬物を整理統合し、効率的に学習できるよう工夫してあるので、丸暗記に走るのではなく、それらの薬物の薬理作用などを考えながら覚えて欲しい。その際、各設問に掲げてある[ポイント]を十分に活用していただきたい。
本書が学生諸君の薬理学の修得に役立つことを祈念している。
2019年9月 著者ら