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【識者の眼】「地域包括ケアシステムとかかりつけ医」鈴木邦彦

No.5000 (2020年02月22日発行) P.18

鈴木邦彦 (医療法人博仁会志村大宮病院理事長・院長)

登録日: 2020-02-24

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昨年暮れの12月22日、日本医師会の強力な支援を得て、日本地域包括ケア学会が設立されました。第1回大会は日医会館において開催され、医師をはじめとする多職種、行政、アカデミアの方など591名が参加しました。今までありそうでなかった、地域包括ケアシステムをオールジャパンで推進するこの学会の役員には、わが国のほぼすべての医療・介護関係団体のトップクラスが揃っています。理事長にはこの分野の第一人者である田中滋先生(埼玉県立大学理事長)、副理事長には次世代のリーダーである松田晋哉先生(産業医科大学教授)が就任され、事務局長は筆者が務めさせていただくことになりました。

筆者は2010年4月から18年6月下旬まで4期8年にわたって日医常任理事を務め、その間、医療保険と介護保険の両方を担当させていただきました。地域包括ケアシステムの基本は医療と介護の連携ですが、今回の学会設立に当たって、その時にお世話になった両分野の皆様が全員心良く協力してくださったことを、心から感謝しています。

また、筆者は日医常任理事になる前の2008年から毎年、学者の同行を得て海外訪問調査を行い報告書を作成する活動を続けています。特に、いずれわが国でも家庭医の問題が議論されることが予想されたため、その時に日医に提言しようと家庭医について詳しく調査しましたが、いざかかりつけ医が議論された時に、私が日医でその担当をさせていただいたことは不思議な巡り合わせだと感じています。

わが国の医療・介護制度は、財源問題は別にして、現時点できわめて優れているというのが結論ですが、各国は高齢化最先進国のわが国が世界で最初に地域包括ケアシステム(海外ではコミュニティケア)を構築できるかに注目しています。本シリーズでは地域包括ケアシステムとかかりつけ医に焦点を当てて、今後のあるべき姿を考えてみたいと思います。

鈴木邦彦(医療法人博仁会志村大宮病院理事長・院長)[高齢化最先進国]

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