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【識者の眼】「SNSで広がるHPVワクチンのクラウドファンディング」倉原 優

No.5033 (2020年10月10日発行) P.63

倉原 優 (国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科)

登録日: 2020-10-01

最終更新日: 2020-10-01

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以前、本欄(No.5010)で「なぜかHPVワクチンが接種されない先進国」というタイトルで、HPVワクチンの積極的勧奨が中止されている問題点を指摘した。それゆえ、HPVワクチンの定期接種についてのリマインドが市民に届かず、接種すべきかどうかという情報がないまま、定期接種の対象期間を逸してしまっている現状がある。医療従事者として歯がゆく思っている人が多いだろう。

SNSでHPVワクチンを巡る問題について指摘している識者が集まって、一般社団法人「HPVについての情報を広く発信する会」主導のもとクラウドファンディングを募っている。当初400万円という目標であったが、2020年9月30日現在、なんと約1800万円が集まっている。性質としてはクラウドファンディングよりどちらかといえば義援金に近いものではあるが、それだけ関心を持っている人が多いということの証左であろう。

この動きに大きな影響を与えたのがTwitterである。このプロジェクトの参加者の多くは、SNSにおけるインフルエンサーであり、初日からこのクラウドファンディングの情報はまさに一瞬でSNS上に拡散されていたのだ。

SNSは、これまで変えることのできなかった何かを変えることができるという、無限の可能性を秘めている。

倉原 優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科)[医療SNS]

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