厚生労働省は3月31日、かかりつけ医機能報告などに関連した医療法施行規則(厚生労働省令)の公布や告示を行った。かかりつけ医機能報告で一次診療が対応であることを報告する疾患の対象範囲などを明確化した。施行は2025年4月1日。
かかりつけ医機能報告では、各医療機関が継続的な医療を必要とする者に提供している、かかりつけ医機能の内容などを毎年都道府県に報告する。
この継続的な医療を必要とする者について省令は、①慢性の疾患を有する高齢者、②障害者、③障害児医療的ケア児、④難病患者―などと定義。報告事項では、一次診療対応が可能なことを報告する40疾患を告示するとともに、医療機関の管理者が報告するのが適当と判断した疾患等も報告対象になることを併せて示した。
一次診療対応について報告できる40疾患は、(1)貧血、(2)糖尿病、(3)脂質異常症、(4)統合失調症、(5)鬱病、そう鬱病その他の気分障害、(6)不安、ストレスその他の神経症、(7)睡眠障害、(8)認知症、(9)片頭痛その他の頭痛、(10)脳梗塞、(11)末梢神経障害、(12)結膜炎、角膜炎または涙腺炎、(13)白内障、(14)緑内障、(15)近視、遠視、老視その他の屈折及び調節の異常、(16)中耳炎または外耳炎、(17)難聴、(18)高血圧症、(19)狭心症、(20)不整脈、(21)心不全、(22)喘息または慢性閉塞性肺疾患、(23)感冒、(24)アレルギー性鼻炎、(25)下痢または胃腸炎、(26)便秘、(27)肝硬変、ウイルス性肝炎またはその他の慢性肝炎、(28)皮膚疾患、(29)関節リウマチまたは脱臼その他の関節症、(30)骨粗鬆症、(31)腰痛、(32)頸腕症候群、(33)外傷、(34)骨折、(35)前立腺肥大症、(36)慢性腎臓病、(37)更年期障害、(38)乳房の疾患、(39)正常妊娠及び産褥の管理、(40)がん―となっている。
また、かかりつけ医機能を担う医療機関では、継続的な医療を要する患者に概ね4カ月以上継続的な在宅医療や外来医療の提供が見込まれ、患者または家族から求めがある場合に、提供する医療の内容などを説明する努力義務が生じることを省令で規定。説明方法は書面交付のほか、電子メールによる送信や磁気ディスクの交付、インターネットによって患者・家族の閲覧に供する形式でも差し支えないことを示した。