日本医師会の松本吉郎会長は7月23日、今回の参院選で初当選を果たした釜萢敏副会長とともに記者会見に臨み、「(自民党の比例区での)医療・社会保障関係候補者の中でトップの17万4434票を獲得した」と日本医師連盟の活動の成果を強調した。
松本会長は、自民党に強い逆風が吹く中での厳しい選挙戦を振り返りつつ、2022年参院選で日医連推薦の自見はなこ氏の得票数21万3369票を下回ることとなった釜萢氏の得票数について「自民党の比例区での得票数が3割ほど減る中で日医連の推薦候補は18%減にとどまった。順位も自見先生と同じ8位であり、医療・社会保障関係候補者の中ではトップ当選。非常に頑張ったのではないか」と評価した。
厳しい選挙戦を振り返る松本会長(左)
釜萢氏は「『30万票くらい取らないと当選できないのではないか』との予想もあった。その当初の目標に比べると17万票は決して多い票ではない」としながら、「厳しい中でもしっかり応援いただいた方のおかげで当選できた」と支援者に謝意を表した。
支援者に謝意を表する釜萢副会長
自民党から比例区に出馬した社会保障関係団体推薦候補の中で当選したのは、釜萢氏(8位)のほか日本看護連盟推薦の石田昌宏氏(10位)と日本薬剤師連盟推薦の本田顕子氏(11位)(表)。松本会長は「都道府県だけでなく郡市区にもお願いに上がった。身を削りながらお願いしてきたが、本当に厳しい選挙だった」と述べ、政治不信が強まる中、日医連の組織をさらに強化する必要があるとの認識も示した。
与党が大敗し政権の枠組みの変化が予測される中での今後の対応について松本会長は「どのような体制になろうとも私たちの(医療政策に対する)考え方には変化はない」と述べ、自民党との連携についても「今後も変わりはない」と明言した。
釜萢氏は「我が国の医療にそんなに無駄が多いとは全く思っていない」と述べ、現役世代の手取りを増やすための社会保障費切り下げ論が強まる中、医療・介護の補正予算確保や診療報酬引上げのための予算確保に努めていく考えを示した。
参院議員就任に伴い釜萢氏は近く日医副会長を辞任する予定。松本会長は「およそ3カ月以内」に後任を決定する意向だ。
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