No.4997 (2020年02月01日発行) P.61
工藤弘志 (順心病院サイバーナイフセンターセンター長)
登録日: 2020-02-04
2010年1月から2013年12月までの4年間、厚生労働省近畿厚生局の指導医療官として勤務することにより「保険診療」に関して感じた点をまとめ、2015年に『元指導医療官が指南 保険医のための保険診療講座』(日本医事新報社)を上梓しました。数週間後、発刊時に大変お世話になった編集担当者の方から、「Amazon.comの病院管理学のジャンルで1位になっていますよ」とのメールをいただき、早速、インターネットで調べてみると、確かに1位になっていました。初めてそのようなランキングがあることを知り、世の中にはいろいろなランキングがあるものだと驚きました。
以来、毎朝出勤すると、まず自分のパソコンのスイッチを入れて、メールのチェックをした後、病院管理学での拙著のランキングをチェックするのが日課となってしまいました。
しばらく、ベスト100の上位を占めていましたが、当然の如くランキングは時間が経つにつれ下降していきました。昨年は1週間に1度くらいベスト100以内に入っていましたが、今年になり100位以内に入る回数が2〜3週間に1度くらいとなってしまいました。最近では、100位以内に入っているのを見つけると、ご購入くださった方々、この度はわざわざ拙著をお買い上げいただき、誠に有難うございました、と心の中でお礼を申し上げています。
ほぼ毎日ランキングを見ていると気付くことがあります。上梓した頃にはお目にかからなかった診療録の書き方や保険請求の仕方等保険診療に関係する書籍が増えてきたことです。拙著に関する読者のコメントに、当たり前のことを書いているだけで購入するに値しない、という辛口のものがありました。私自身、全くその通りで、私が書いていることは保険医療機関や保険医ならば当然知っているべき事ばかりなので、本来ならばこのような書籍は無用のはずだ、と思っていました。ランキング内に入るということはうれしいことなのですが、複雑な気分ではあります。
今年のランキングでも、個別指導や監査に関する書籍が上位に入っているところをみると、保険診療を適切に行うことは難しいことなのかもしれません。
工藤弘志(順心病院サイバーナイフセンターセンター長)[保険診療雑感①][書籍売上ランキング]