No.5000 (2020年02月22日発行) P.69
猪俣武範 (順天堂大学医学部眼科学教室、戦略的手術室改善マネジメント講座、病理管理学、准教授)
登録日: 2020-02-19
最終更新日: 2020-02-18
2020年オリンピックイヤーがついにやってきました。新年を迎えたこのタイミングこそ、目標や抱負をしっかり立てることが重要です。
将来どうなるか分からないのに、目標なんて立てることができないと思う人もいるかもしれません。確かに、3年後や5年後の自分は予想できないかもしれません。しかし、そうだからこそ、柔軟性を保ちながら自分の目標を戦略的に見据え、遂行していく必要があります。
それでは、どのようにして、このような不確実な状況で目標を設定していけばいいのでしょうか?
ここで重要なことは、5年後や10年後の自分を見据えるという感覚です。目標は絶えず変化していくものです。つまり、目標を遂行するのに、絶対的な将来の行く末を予測する必要はないのです。会社であれ、あなた自身であれ、目標を明確に定めておくことが大切です。
確かな目標の設定にはSMART GOALという5つのクライテリアを用いたフレームワークを用いると便利です。
SMARTとは「S-specific(具体的に)」「M-measurable(評価可能に)」「A-achievable(実現可能に)」「R-realistic(現実的に)」「T-time bound(期限内に達成可能な)」の頭文字をとったものです。
このSMARTのフレームワークを用いることで、より明確な目標を設定することができます。あなたも、「将来社長になる」などの抽象的なゴール設定をするのではなく、「2025年9月までに英語論文を50本書く。そのためには2021年までに研究費を400万円収集し、研究チームを発足する。2022年には…」などの明確かつパワフルな目標設定を行うことが重要です。目標を立てる際にはこれら5つのクライテリアを意識して、SMARTな目標設定を行って下さい。
そして、ビジネスの世界ではゴーイングコンサーン(going concern)という言葉がある様に、長期的に継続することが期待されます。設定した目標が最終的には、長期的な目標として20年、30年と継続されて行く様にしましょう。
※上記は猪俣武範 著『目標を次々に達成する人の最強の勉強法(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』より一部改変・抜粋しています。
猪俣武範(順天堂大学医学部眼科学教室、戦略的手術室改善マネジメント講座、病理管理学、准教授)[SMART GOAL(5つのクライテリア)]