私は2013年に「地域包括ケアシステム」について初めて論じた時から、その「実態は全国一律の『システム』ではなく『ネットワーク』であり、それの具体的在り方は地域により大きく異なる」ことを強調しました(「地域包括ケアシステムと医療・医療機関の関係を考える」本誌4630号:30-31頁)。
地域包括ケアの実態がネットワークであることは、その後、関係者・団体の共通理解となり、『平成28年版厚生労働白書』は、そのものズバリ「地域包括ケアシステムとは『地域で暮らすための支援の包括化、地域連携、ネットワークづくり』」(201頁)と記述しました。
本稿では、このことに関わって留意すべきと私が考えていることを3点述べます。