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【識者の眼】「予防法を重要な順に並べた『脳卒中予防十か条』」峰松一夫

No.5011 (2020年05月09日発行) P.40

峰松一夫 (公益社団法人日本脳卒中協会理事長、国立循環器病研究センター名誉院長、医療法人医誠会臨床顧問)

登録日: 2020-05-10

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脳卒中・循環器病対策基本法では、循環器病の予防や発症時の迅速かつ適切な対応の重要性に関する国民啓発の推進が強調されている。これまでわが国では、健康診断(健診)で危険因子のスクリーニングは実施されてきたが、脳卒中・循環器病等の予防を目指した方向付けは行われていなかった。
日本脳卒中協会は、2002年より毎年5月25日から31日を「脳卒中週間」と定め、啓発活動を推進してきた。2003年には、「脳卒中予防十か条」を作成し(表)、危険因子や予防についての知識の普及に努めている。

脳卒中予防十か条では、脳卒中発症につながる様々な疾病や生活習慣を重要な順に並べ、川柳調にまとめている。まず、高血圧、糖尿病、不整脈(心房細動)、喫煙、過度の飲酒、高コレステロール血症(脂質異常症)を挙げ、その背景にある生活習慣としての食事中の塩分・脂肪、運動不足、肥満を強調し、最後に発症時の救急対応の必要性に触れている。

脳卒中発症後には様々な薬物療法や手術療法が行われるが、重症化予防や再発防止において最も大事なことは、これらの予防策を徹底することである。

特に不整脈(心房細動)の早期発見とその治療(抗凝固療法)は、脳梗塞(特に心原性脳塞栓症)予防、再発防止に有効である。日本脳卒中協会と日本不整脈心電学会は共同で、毎年3月9日を「脈の日」、3月9日〜15日を「心房細動週間」と定め、予防啓発に取り組んでいる(http://www.jsa-web.org/citizen/94.html)。併せて記憶していただければ幸いである。

峰松一夫(公益社団法人日本脳卒中協会理事長、国立循環器病研究センター名誉院長、医療法人医誠会臨床顧問)[脳卒中]

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