クリティカルパスを病院運営に取り入れ、同好の士と研究会に参加し、17年余が経過した。クリティカルパス研究会は日本医療マネジメント学会へと発展し、次の第17回学術総会(会長:山根哲郎・松下記念病院院長)は、2015年6月12〜13日の2日間にわたり大阪市で開催される。この間のクリティカルパスの普及・発展は目覚ましく、現在ほとんどの医療機関で導入されている。
クリティカルパス導入の理由としては、医療の標準化・効率化と並んで、チーム医療の推進が挙げられる。多職種が集まって協議し作成されたクリティカルパスに基づいて、各職種はチームの一員として共通の達成目標の下に情報を共有し医療を提供する。バリアンスを分析し、医療の進歩を反映する各疾病の診療ガイドラインやEBMを取り入れて、クリティカルパスを見直し改定することにより、医療の質向上が図られる。この一連の過程がチーム医療そのものである。
地域連携も広い意味ではチーム医療と考えている。それぞれの医療機関が特色を持って機能を分担し、それぞれの能力を高め、かつ情報の共有を図り連携を密にすることにより医療の質は向上する。地域連携クリティカルパスは、このような発想の中で生まれ、今や地域医療計画においてなくてはならないものとなっている。
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