No.5095 (2021年12月18日発行) P.59
中村悦子 (社会福祉法人弘和会「訪問看護ステーションみなぎ」管理者)
登録日: 2021-12-09
最終更新日: 2021-12-09
先日から「コロナ禍で全国のがん診断数が6万人減少している」件が話題になっています。
確かに私の周りでもコロナウイルスの感染を恐れて病院受診を拒んだり、定期受診の回数を減らしている人が増えており、説得して受診につないだ結果、手術適応ではないがんが見つかった方が数名いて心苦しい思いをしています。
突然、告知されて本人も家族も現状を受け入れることができず困惑していますが、本人が自宅で療養したいという意思を固めたら当然のことながら応援したいし、迷っていたら支えてあげたいと思います。
また、受診回数が減ったことで処方されるお薬の量が増えているのも現実です。次回の受診予約日が3カ月後の場合は90日分の処方が発生します。複数科を受診されている場合、診療科によっては、他はどうであれ当科は1カ月後に受診するようにと言われると、30日処方やら90日処方やらバラバラな日数の定期薬が発生するわけで、在宅における服薬管理が大きな課題となります。
本人が服薬管理できない場合に誰が代わりに管理するのか、家族がいてもお願いと言える関係性ができているのか、相談できるフォーマルな支援があるのかと考えた時に、ふと思ったのですが、病院のFAXコーナー等の職員が声を掛けていただくことはできないのでしょうか。調剤薬局にFAXするときに処方箋を確認し「このお薬はご自分で管理されているのですか」とお声掛けしていただくことで、困っている皆さんの困り感を無くすことができるのではないか、と単純に考えました。それが難しければ調剤薬局の窓口の職員が相談に乗ってもらえるといいかもしれません。相談する場所があるだけで訪問薬剤指導につなげていけると思います。
訪問薬剤指導のことを知らない住民が沢山います。という私も訪問薬剤指導ってどこまでやっていただけるのかわかっていません。我々、地域の保健室のお節介ナースももっと勉強しないとだめですね。
中村悦子(社会福祉法人弘和会「訪問看護ステーションみなぎ」管理者)[在宅服薬管理][訪問薬剤指導]