私は5月下旬から6月上旬の2週間、日本医師会の西欧医療調査団(団長・鈴木邦彦茨城県医師会長)の一員として、イギリス、ドイツ、フランス3カ国の診療所・病院・医師会・病院団体・医療保険団体や研究機関等合計23カ所を訪問し、各国のコロナ禍対応を中心に調査しました。
日本では「日本経済新聞」等は、日本のコロナ対応は失敗したと批判する一方、かかりつけ医制度が確立し、医療施設の機能分化も進んでいるヨーロッパ諸国を高く評価しています。しかし、実地調査の結果、その主張の多くが事実誤認であることがわかりました。
本調査の公式報告書は後日、日本医師会から公表される予定です。本連載では、それに先立ち、私が調査で学んだことを「スナップショット」的に紹介します。今回は、イギリスについて、次回はドイツ・フランスについて述べます。以下、「イギリス」は「イングランド」を意味します。