株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

在宅酸素療法

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
木田厚瑞 (日本医科大学呼吸ケアクリニック所長)
    • 1
    • 2
  • next
  • ■導入の考え方

    病態にかかわらず安定した慢性呼吸不全であり,治療の方針が決まっている場合に導入を検討する。

    以下の2つの場合がある。①在宅医療に移行することにより患者・家族のQOLの向上があり,ADLの高い状態が維持できる。②診断,治療方針が確定しており在宅でのターミナルケアを患者,家族が望んでいる。

    ■状態の把握・アセスメント

    【フィジカル】

    安定した慢性呼吸不全であること,基礎病態の評価がなされており薬物治療の方針が決まっている。

    安静時,労作時,睡眠中の低酸素血症により酸素使用方法の処方内容を決める。

    慢性呼吸不全は室内気吸入下での動脈血ガス検査によりPaO2<60mmHgであること。このとき高二酸化炭素血症(PaCO2>45mmHg)があるかどうかを確認する。

    労作時の低酸素血症を確認する。通常は6分間平地歩行テストで最低値(標準SpO2>92%)を確認する。

    夜間睡眠中のSpO2の低下と持続時間を確認する。ODI<5.5以下を標準とする。

    パルスオキシメータのみによる評価だけの導入は医療保険の適用にはなるが,治療効果を上げるという点では不十分である。

    心臓超音波検査で肺高血圧症の有無を確認する。

    【介護力】

    安全で効果的に行うため正しい使い方,注意点,大災害時の対処方法を教える。

    1190疾患を網羅した最新版
    1252専門家による 私の治療 2021-22年度版 好評発売中


    PDF版(本体7,000円+税)の詳細・ご購入は
    コチラより

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    page top