□在宅療養者には,程度に差はあるが多くの場合,活動障害が併存する。活動障害は軽度であっても何らかの要因が加わると増悪し,様々な廃用症候群や寝たきりへと二次障害をまねく。可能な限り生活機能を保ち,フレイルや廃用を予防することが重要である。
□病気や障害があってもその人らしく楽しく過ごせることが重要,という新しい健康観に基づき,心身機能維持のための生活習慣指導,フィットネス指導の知識が実地医家には求められる。
□主病,併存疾患などの医学的情報だけではなく,生活全体を評価する。国際生活機能分類ICFの概念の利用も可能である。
□フレイルとは,特定の原因が存在しないが要介護状態に至る病態をさす。かつての虚弱のことで,身体的フレイル,精神的フレイル,社会的フレイルの3つの側面を持つ。
□身体的フレイルは運動能力低下,転倒・骨折のリスクを表現したもので,特に活動障害に直結する。前フレイル(前虚弱)へのアプローチが有効である。
□生活機能評価は介護量評価でもある。家族が主介護者となることが多いが,独居者の増加なども含めて家族の構成員の変化もあり,介護力の確認が必要である。さらに,介護者自身も"隠れた患者"として包括的支援が必要である1)。
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